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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


 ■ あなたは電話しやすい会社?

■ 「お客が欲しい〜!」と叫ぶ広告は見向きもされない

 リフォーム業者に多く見られる宣伝広告のやり方で、「あなたの家は大丈夫?」で始まり、それとなく恐怖をあおった挙げ句、

「お気軽にお問い合わせください!」

とかかれたチラシを見かける。誰がこんな恐ろしい所に気軽に電話出来るんだ? 怖がらせれば電話してくるだろう、という安易さも感じられ、好感度が低いし、お客が欲しい!と叫んでる雰囲気。

 恐怖をあおって問い合せを促すのは100%間違いではないとしても、”診断”に来る業者は「ここがいけない、ここが危ない」と指摘し、受注することが目的だとお客さんは思うだろう。出来れば、

「見てみましたが、何も問題ありませんでした。ではさようなら」

とか、

「見てみましたが、何も問題ありませんでした。診断料+出張料で8500円です」

このくらい正直だと助かるのだが、なかなかそうもいかない。また、この8500円も払いたくない人は多いだろう。(←これは納得いかないが)

■ お客さんは、なぜ業者を怖がるのか?

 仮に自分がリフォームをするにしても、シロアリの検査をしてもらうにしても、あまり恐怖をあおったり、せっつくような業者には問い合せしたくない。なぜなら、お客さんは皆、出来ることなら「軽症です」と言ってもらいたいから。これが仮に、なんとなく手遅れと分かっていてもだ。こんなお客さんのワガママ心理を分からずに営業をかける業者は生き残れない。

 この心理をまず、理解してもらいたい。

 第一の例は、車の故障だ。車の故障は故障箇所によっては、修理代が高い。「修理」というのは、新しいものを買う行為ではないため、金を払うのは何となく惜しい。それで、行かなきゃ行かなきゃと思いつつ、車が断末魔の叫びをあげ出すまで乗る。しかし、断末魔の叫びを聞いた後ではもう完全な「手遅れ」。それでもお客さんは、メカニックの口から「ああ、大丈夫大丈夫。オイル足しておきますね。3000円です」という言葉を期待している。

 もう一つの例は、医者に行って「風邪だとおもうんですけど」というケース。医者に「それは私がきめる事」と叱られる、お決まりのパターン。しかし、これは患者の「そんなに大変な病気じゃないと言って〜!」という気持ちが先走りして出てきてしまった言葉だ。

 お客さんが「軽症です」といってほしいと分かっていても、本当に重症なことだってある。むしろ、そのケースの方が多いだろう。でも、自分の事のように親身になってくれそうな人か、事実は事実だから仕方が無いって態度の人に仕事を任せたいか、それはいわずもがな。

 「問題があったら、ちょっと料金高くてもこの会社!」と頭に残してもらうためには、会社ぐるみで頼れる雰囲気を作り、正しくPRする必要がある。

■ ここはちょっと気になる会社になった

 今日(3月5日)の新聞に、ちいさく載っていた広告に僕は目を奪われた。冒頭で出した、これだ ↓

「屋根のことは・・・○○○ あわてない、あわてない」の言葉の横に、
「私、○○○○(実名)は屋根に情熱を傾けています!」+顔写真

 リフォーム業者にありがちな、どこかの宗教団体のような「あなたの足の裏は汚れている!」式の売り文句に慣れてしまった僕らには、どこか優しく感じるこの広告。小坊主アニメの決まり文句を真似たことにも目をつむる。上手くやれば真似だって良い方法なのだから。

 この写真の方は、経営者か従業員の1人かは分からない。この人なら「そんなに驚くようなことじゃないですよ」と言ってくれそうな雰囲気。仮に重病だったとしても、なんとなく安心出来る言い方をしてくれそう。

 お客さんは、この”なんとなくやんわりと「重症だけど気を落とさないで。僕がなんとかしますから」”といってくれそうな態度に弱い事を覚えておいてほしい。それだけ業者とイヤな経験をしてきた人が多いともいえるんだけど、電話をしやすい会社になるためには、やんわりとした社風がにじみ出るようなPR方法も良いだろう。

 もちろん、僕はこの業者と会ったことがないので、実際電話してみたら全然こういう雰囲気ではないかもしれない。仮にそうであれば、この会社は普通に宣伝する以上に評判を落とすことになる。優しさに触れたい!っていうお客さんの期待を裏切れば、それなりの代償があるのは当然。

 というところで、あなたの会社は電話のしやすい会社だろうか?

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