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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


■ ちょっと恥ずかしい宣伝

メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。

 英語が得意であっても、日ごろ制作物にはなるべく英語を使わないように心がけている。もちろん母国語ではないから100%正しい表現が出来ないという現実もあるが、もう一つの理由は「カッコ良さ」のためだけに使われる傾向が強すぎるためだ。

 お客さんの立場からは、読みにくいのみならず、内容が理解出来ないという問題もある。結局、書かれたものは単なる「模様」でしかなくなる。それは言葉を変えれば邪魔なモノだ。

■ 英語の間違いその1

 まずYオークションで見つけたある業者の例を紹介したい。参考画像を見てもらおうと思ったが今回は悪い例で使うため、出品業者の名誉と無用なトラブルを避ける意味から画像は公開しない。

 写真では長方形の黒い背景を半分に割った左側に商品写真、右側に宣伝文句。その宣伝文句は英語で、

「Hey!  Looking!!  Super!!  Low Price is This!!」(原文まま)

とある。知ってる英語を並べたてたという感じだ。こんなことなら英語じゃないほうがいい。正しい英語を使ったとしても、日本人だけを対象としている宣伝に英語を使う意味はない。

■ 英語の間違いその2

 例えばこのような単語の並びがあったとしたらどう思うだろうか?

「Clean Smooth Beauty」

 一見何でもないように見えてしまうかもしれないが、本来ならば

「Clean Smooth Beautiful」

となるべきところなのだ。つまり、最初の並びは「形容詞・形容詞・名詞」なのだが、2例目は全て形容詞になっている。

 世にある”おしゃれ”な英語宣伝の中には、ここで大きな間違いをしている例が非常に多いのである。ネットで調べた名の通った会社でも自社制作サイトの場合にこの間違いは多かった。語呂が悪いだけでなく”間違い”なのだから、恰好の良いはずがない。

 このように単語を3つ4つと並べるコピーやデザインは多方面で好まれるが、使うのであれば品詞にはもっと気をつけるべきだ。

■ 英語の間違いその3

 健康・癒しビジネスはブームの域を越え、先進の国々では重要な産業になったと感じる。ところが、そこでの英語の使い方に間違いが多い。例えば、

 「〜に、リラックスがほしいから」

というようなコピーをよく目にする。問題は「リラックス」の部分だ。上記のコピーをそのまま訳すと、

 「〜に、”くつろぐ”がほしいから」

と、珍妙な文章になる。「リラックス」の部分は「リラクゼーション」であるべきで、そうなると

 「〜に、”くつろぎ”がほしいから」

これでようやく日本語になる。こう説明すると、こんな反論をもらう。

 「”〜に、リラクゼーションが欲しいから”なんて言ったら、リラクゼーションの意味を知らん人には分からんだろう!リラックスなら皆が知ってる単語じゃないか!」

 それなら文章を「リラックス」に合うよう変更すればよい。それでも納得いかない、どうしても間違ったコピーに執着するのであれば、間違ったまま使えばいい。そこまで制作側は介入しないだろう。

(ちなみに、この「〜にリラックスがほしいから」のコピーは、アメリカの日本語放送局で実際に放映されていたCMのコピーだ。アメリカにいてこれは恥ずかしい)

■ とりあえず英語無しで出来ないか?

 用法の間違いを指摘するのは揚げ足取りのようで気が引ける。しかし、「ファッショナブルで洗練された」イメージには「知性」がなければならない。間違った英語を使ったら知的からはほど遠いし、なにより珍妙だ。自信がないのであれば、最初から日本語で良いものを作る方が良い。お客さんだって読みやすいだろう。

 とりあえず自分たちが1番心地よい「日本語」で何かできないか?その後に、デザイン的模様的な要素で英語を使うのであれば悪くない。仮に、単語を並べたものを「会社の方針や柱」にするのであれば、恥ずかしい品詞の間違いは絶対に避けたいところだ。

■ ただし、こんな使い方も面白い

 携帯電話でおなじみの「au」だが、そのロゴに使われているデザインは面白い。一見英語でかかれた文章に見えるのだが、

「SUROUGAN MO
DAIJIDAKEREDO,
JIKKOUSURUNOGA
ICHIBAN DAIJI.」

 こんなことはファンシーグッズのサンリオなんかが昔っからやっていることだが、これはこれで見直すべき使い方だ。

 もしもあなたの会社がカッコ良さを狙いながらも、知らないうちに「珍妙」なコピーを使っているのだとしたら、今すぐ直すか社長に間違いを進言すべき!

 とはいっても素直に聞き入れてくれる経営者がどのくらいいるのか?一筋縄ではいかないかも。

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