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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


■ 思いやりの蓄積

メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。

 企業側が努力しているのに誰も気付かない。当の企業も「気付かれる」ことに重きを置いていない努力がある。誰も気付かないし宣伝もしないから、売り上げに結びついているのかどうか、全く分からない部分だが”ハッ”と気付いたときの感動は大きい。

■ 超巨大企業から学ぶ

 デカイ企業から学べることもかなりある。安売りで色々言われた「マクドナルド」は、子供が喜ぶ場所だ。アメリカでは各店舗が様々に趣向を凝らした装飾をして楽しませていたのを思い出す。店舗の天井に機関車が走っていたり、屋外に遊具が設置されていたりする。

 長年子供を相手にビジネスをやってきているから、さぞかしその”知の蓄積があるのだろう”と思うのだが、カウンターは子供には高すぎるようだし、子供用のイスは少なく感じる。ところが、これもちゃんと計算されていることが分かった。

■ ある日の体験

 子供相手とはいえ、自分で物が買える子供ならばカウンターもこの高さでいいし、イスも利用率を見るかぎり”ある”という事実が大切であって、”個数が用意されている”ことはあまり重要ではないようだ。

 驚いたのはモチロンそんなことではない。ある日子供を連れてマクドナルドへ行った。そこでオヤツにポテトを食べていて、ふと思った。いつもよりなんとなく楽なのだ。

 2歳に満たない子供は四六時中注意しなければイスの上に立ち上がり、そこら中のものを触る。それはいつも同じこと。しかし、楽なのは子供の行動があまり乱暴に見えないからのようだった。

■ 超巨大企業の一日の長

 いつもなら壁にかかった絵を触ったり、机のメニューを取って投げたりと困ってしまうのだが、マクドナルドの備品や装飾品は壁に木ねじで固定されていた。だから、子供が額を触ろうが何をしようがビクともしない。販促用のチラシはステッカーになっていてテーブルに貼り付けてある。

 そう思ってあたりを見回したり、別の店舗に行ってみると、僕の行動範囲内の限りでは子供が店内、又は着席したテーブル周辺に置かれているものは全て接着してあるか、固定してある、固定しても子供の興味をひきすぎてしまう販促用の玩具はプラスチックケースの中に収められている。そのケースとて既に子供達の手のひらでバンバンやられた形跡があるが、まったくヘタっている気配はない。

 対象顧客を調べ抜いた結果で蓄積されてきた”目立たない思いやり”を目にし、歴史ある超巨大企業に一日の長があるのを実感した。

■ 観察から改善、その積み重ね

 マクドナルドも失敗を繰り返した経験を改善に結びつけた結果、このような全く宣伝しない部分の”イメージアップ”を計ってきたのだろう。中小企業も真似に終わることなく、お客さんを観察し気付かれない部分での”快適さ”を提供出来るようになると、

「なんかあそこに足が向いてしまう」

という存在になれるのかもしれない。

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