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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


■ ガイジンのアタマにも残る戦闘マニュアル

メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。

 最近は中小企業の海外企業との提携が盛んだ。今回は、そんな企業のうちのある一社からの要望を受けて『外国人との付合い方』を伝授したい。

 外国人との付合いは最初が肝心。つまり、アタマに残る印象付けの作戦を考えておかないと、相手に上に立たれてしまう。このせめぎ合いに、あいさつから負けるようでは外国人と戦うことは出来ない。題して『ガイジンのアタマにも残る戦闘マニュアル』。

■ 礼儀正しくはウソ

 僕はロサンゼルスで映画を作っていた時、様々な人種と関わりを持った。アメリカ人、韓国人、台湾人、中国人、香港人(と当人達が呼んでいた)、メキシコ人、グアテマラ人、エルサルバドル人、インド人、スイス人、ドイツ人、イギリス人・・・・・きりがない。

 日本では初対面の時は、礼儀正しくするのが正しい。しかし、外国人相手にいつもそればかりではナメられる。自分に対して礼儀正しい人は、外国人にとっては「自分より下の人」と思われる危険もある。

■ なぜ礼儀正しくしてしまうのか

 それは英語が苦手だから。
 それからガイジンがデカイから。
 ガイジンは確固たる自分のペースを持っているから。

 まず忘れてほしいのは”自分は英語が苦手だということ”だ。日本で外国人と会おうが、外国で会おうが一緒のこと。自分は日本人なんだから、相手の言葉が話せないことに引け目を感じる必要は一切ない。そういう国で育ってこなかったのだから、外国語なんか話せなくって当たり前。何を恥じることがあろうか。逆に日本に来るならこっちの言葉を話せ!と言いたい。

 それから、デカくても単なる若造だったり、分かったフリだけしているでくの坊である可能性もある。サイズや見た目、態度で相手の能力を評価しては相手に都合が良いだけだ。

 そして、最後の一つ・・・・。

■ ガイジンのペースを乱せ!

 外国人は確固たる自分のペースを持っている。反して我々日本人は、相手に合わせてあげる、察してあげることが美徳の国民だ。このギャップが物事を相手のペースで運ばれてしまう原因だ。

 外国人(特にアジア人以外)のあいさつは、悔しいほどに気が利いている。ただ出会って、形式的なあいさつをするだけではなく、相手のことをよく見ている。突然相手の”何か”を褒めたり、初対面でいきなりジョークを飛ばしてきたりする。

 ジョークというのは、今起こったことをありのままの言葉にしたものではない、空気の中にある突拍子もない要素の飛躍から生まれる。ということは、前の会話の”流れ”だけを追っていては、突然何かを言われたときに、

 「え?え?今なんて言ったの?え?え?」

 と慌ててしまう。初心者の方はそんな経験があると思う。そうこうしているうちに外国人は子供に話しかけるような落ち着いた口調で、

 「ああ、気にしないで。なんでもないから」

 と言ってくる。そこで何故か日本人は自嘲気味に「ソーリー」とか言ってしまう。そうなったらもうガイジンのペース。一丁あがりだ。

■ 相手を過大評価しない

 外国人は愛想を売る習慣がないために、落ち着いて構えているように見える。しかし相手もただの人。初めての相手や、初めての国で緊張しているのだ。見た目だけで相手が大人物のような錯覚を持つのは損だ。ところが、そんなとき日本人は妙に笑顔を浮かべてしまうのだが、まずこれをやめよう。

 あなたも「愛想のない顔つき」で対峙すればいいのだ。とはいえ、怒った顔ではない、好戦的な顔でもない、まじめな小説を読むときのようなキリっとした顔でいよう。

 もしジョークが聞き取れなかった場合でもその顔を崩さず、早口で低く、

 「Excuse me?」

 と聞き返してやろう。相手が「Never mind.」と言ったとしても、決してしつこく聞きたがらず、短く「OK.」と言えばいい。すると、相手は”ちっ、下手なジョーク言っちまったからかなぁ”と勝手に思ってくれるかもしれない。

■ キーワードは”自分のペースを守る”

 読んで感じたかもしれないが、とにかくキーワードは、

 ”自分のペースを守る”こと。

 アメリカ人の場合は、年齢の上下も関係ない。自分対相手、等身大のぶつかり合いになる。愛想を良くしても信用されるわけではない。逆にバカにされて、信用を失うことだってある。可能なかぎり自分の地で行くのが正解だ。

 ただし、言うまでもないことだが、自分の地が「単なる失礼なヤツ」だとしたら、もはや救いがたい。常に「最低限のマナー」を備えた人間でいることが必要になる。マナーさえしっかりしていれば仮に無愛想な人であっても上手く付きあっていける。

 なにはともあれ、相手はビジネスをしにきているのであって、友達になりたいと思っているわけではないのだから、こちらもそのように扱ってあげるべきなのだ。

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