あなたが発信しない情報はどこかの誰かが先に発信してしまいます。

当社でも知恵を振り絞って立てた企画を提案させていただいて、結果ボツになってしまうことがあります(しかも結構多い)。

色んな理由でボツになる中には「これはもったいないなぁ」と思うこともあります。20年に迫るボツ企画は既に賞味期限切れになったり、雲散霧消してしまったものも多数ありますが、それぞれの時には「いいアイデア」だったはず。

ああああ、、、、、非常にもったいないことをした!

ボツになったアイデアを一般的な形に落とし込んでネットで公開しておけばよかった!そうすればどこかの誰かの役に立つし、当社に興味を持ってくださる方が増えてたかも!!

アイデアは没になった瞬間にゴミになるわけではないのに。
ああ、惜しい。

当社ではコンテンツマーケティングなんて言葉が出てくるずっと前、20年前に初めてホームページを作ったときから、

インターネットで発信する情報は、誰かが欲しい情報の「答え」であるべき。

という考え方を貫いています。お客さまが知りたい情報を予測するなんてまどろっこしいことをせず、手当たり次第に情報発信すべきなんです。どこに接点が生まれるかなんて分からないのですから。

残念なことに、これまで「そんなことやっても意味がない」と言う方がほとんど。もっと残念なのは、ホームページ自体を作成してブログをスタートさせられる状態にまで準備して、最初の一つが始まらずに取りやめてしまった例もありました。これ、2010年のことですから、その時からコツコツ続けていたら凄いことになってたのになと思うのです。

当社成功例の中でも際立っているのは、ある自動車販売・整備工場の社長です。5年前から毎日更新を続け、今ではワンマンオペレーションのお店なのに日のアクセスは1000を超えています。たまに会社にお邪魔する数時間の間でも、問い合わせの電話が何本もかかってきます。遠方からわざわざ高速道路でいらっしゃって、宿泊して車を直していくお客さまもいます。SEOなんて一切してませんが、Googleの評価も非常に高いままです。しかも、HP開設半年で自動車関連の全国誌から取材依頼が入りました。

この会社が行ったことは、日々の整備記録をネット上に掲載していくことその一点です。当時、社長は、

「そんな情報出してしまったら技術盗まれてしまうし、ウチに来なくても自分でできてしまうんじゃないか?害しか無いんじゃないか?」

とおっしゃっていましたが、ネットの情報は自分が言わなければ他人が言ってしまいます。マジックの種でさえも秘密にしておける世の中ではないのです(倫理的な問題はありますよ)。

だったらその発信元が自分であっていけないはずがない。

じゃあやってみようか。と始めたホームページが、5年後に先ほどお話ししたような成果をあげています。

この経験から分かったのは、情報を出しても情報を盗まれて被害を被る確率は低いこと。たとえ誰かが御社の情報を得ても、それを即実践しようと考える人は少ないこと。なぜなら、今自分がやっていることを、ネットでチラッと見ただけの情報に基いて変更する決断なんてなかなかくだせないからです。
やり方を見たら自分で作業してしまう人ばかり、という心配も無用でした。作業工程を見ているうちに「ああ、こりゃ自分じゃ無理だ。だったらこの会社に頼もう」と持ち込みされる方が増える一方です。今では突然の持ち込みは場所も人手も足りないのでオイル交換も完全予約制です。

つまり、「ウチの技術が盗まれる」と思っているのはお互い様で、それぞれの会社が自社の技術に自信を持っている。他人の技術を覗き見できたからといって、自分の技術を捨て去って他のものに乗り換えるなんてこと、できません。

だから技術は盗まれない。
情報を出している会社とそうでない会社の違いは、お客さまとの接点を刻々と増やしているか離れ小島のまま自分の技術が唯一無二かのように守り鎖国を続けているか、という点なのかもしれません。