客観的に自社のイメージをつかみ損なった失敗例。

当社はブランド構築を含めた宣伝広告デザインを行う時、デザインからキャッチコピーまで丸投げしていただけるほど対象の会社を理解する取材をします。

以前お付き合いしていた会社では、キャッチコピーだけは別の方が作ったものを使用していました。ところが困ったことに、この方のコピーは少し首を傾げたくなるようなものばかり。

例えばどうしても気になった(結局使用したものの)コピーは、

「あの●●の製品があなたのものに・・・。」

というもの。
言葉が「~に・・・。」と、点々で終わる、ハッキリとものを言い切らないコピーも良くないですが、今回はそこではなく、“あの”の部分。
“あの”って、普通どんな時につかいますか?
憧れの、手の届かないと思っていた、“あの”製品が!というときの“あの”だと思うのです。

失礼ながらこの会社は、誰に聞いても口を揃えて「ああ!あの会社ね!」という知名度はありませんでした。完全に背伸びのキャッチコピーです。広告を見た方が

「“あの”というほど知られている会社なんだ~、すごいな!私が知らなかっただけなのか」

とは思わないでしょう。

今や広告を見るお客さまの目はとても厳しく洗練されています。
経営者や従業員の主観的な思いや願望ではなく、客観的に自社の身の丈にあった正直なキャッチコピーを作ることが大切です。

自社のイメージを誤認して先走ってしまうことのないようにしなければ、広告に大金をかけても憧れどころか失笑されてしまいます。