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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


■ 中小企業のPR・弱点はココ

メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。

  ストレートに「中小企業のPR・弱点はココ」と題して考えてみる。経営者の方々(もしかすると取引先も?!)からはブーイングが飛ぶ内容もあるかもしれないが、公言しておく意義を感じるのでまとめてみた。

○ ここでの「中小企業」とは

 中小企業といっても色々ある。今回の内容がピッタリ当てはまる傾向が強いのは、中小といっても”零細”に近い会社だと考えてほしい。

■ その1:既にイメージが固まってしまっている

 新興の会社は当てはまらないが、既に何年も営業を続け取引先やお客さんから「あそこはこんな会社」と決められてしまっている場合がある。当の会社の立場からすれば、決めつけられてしまった内容で満足しているわけではなく、更なる飛躍を!と考えている。しかし困ったことに、あせって「突発型イメージチェンジ」をしかけ、更にイメージダウンさせてしまう。

 例えば長年の営業で「堅い会社」と思われているとする。20年前なら良かったが、世代が変わった今の時代にこれでは通用しないとばかり、突然時代に迎合しようという動き。しかし、普段から面白い事を言ったことのない人間がジョーク本を読み覚え、ある日突然ギャグを飛ばしてみたら場が白けた。そんな状態になりうることは想像に難くない。最初から自社がお客さんに正しく伝わるようにしておくことは重要だ。

■ その2:イメージをコロコロ変える

 このタイプは宣伝広告への関心は高い。しかし、傾向としては「腰を据えたイメージ浸透計画」がなく、非常に短いスパンで成果を判断してしまう。イメージというものは、既存のものが長ければ長いほど変えにくく、短ければ短い程アタマに残らない。つまり、準備は慎重に、一度やったら長期に渡り成果をみて、マイナーチェンジで対応するという方法をとる必要がある。

 なぜかこのタイプには「真似好き」が多い傾向もある。何かが世間で流行ると、あからさまな真似では権利問題になるので、ちょっと雰囲気を似せて真似をする。しかし、真似ほど自社を”まがい物”に仕立ててしまう宣伝もない。結局成果は上がらず、次回はまた別のネタ探しをする。そして何度も同じ失敗をする。

■ その3:オーナーの自己顕示欲やエゴに束縛される

 『宣伝広告=「オレ」を良く見せること』という考えを持っている社長は多い。これは僕らの立場からみても非常に難しい会社だ。宣伝広告は見る対象、つまり「お客さん」を第一に想定して行うものだということは分かるはず。しかし「お父さんの会社の宣伝ってカッコイイ」と家族に褒められることを優先的に計算に入れてしまう社長がいる。もちろんそう公言しているわけではないが、普段の態度を見ていたり社員からの話で分かる。

 一般にカッコイイ宣伝は目を引くと思われているし、そんなものを求める経営者がほとんどだ。しかし、カッコイイグラフィックを使い、おしゃれで都会的なイメージの宣伝を打ったのだが、実は「見栄え重視の宣伝」なら他社もやっている事実に直面する。同じものがならぶ、果たしてその中でどう抜きんでることができるのか、そこを考える必要がある。

■ その4:他社の宣伝を見ない

 アメリカの心理学者フェスティンガーによると「ある宣伝を喜んで見るのは、その商品を買った人が多い」ということだ。つまり、自分の選択が正しかった、自分の所有する製品がテレビに出ている、宣伝に出ているという満足感を味わうというもの。逆に他社製品を買った人は「早く終わらないかなぁ」と少々落ち着かない気分になる。

 これが中小企業でも言える。自分の会社の宣伝は「なかなかいいよなぁ」といって眺めるのだが、他社がもっと良い宣伝を行っていると聞けば、何となく怖くなってしまい、見るのをためらう。しかし、他社のことをしっかり見極めて、自社の独自性を確認すべきだ。とても独創的な製品を扱っていると思っているのは自分だけで、実は世の中で流行っているものだった。そんな中小零細企業は実際多い。

■ その5:独自性を宣伝文句だけで作る

 最後に傾向その5として、独自性がない企業があげられる。これは経営者自ら自社に独自性がないことを知っていて、宣伝文句だけをひねる。「私たちは〜しています」「完ぺきなお客様第一主義を目指して・・・」といった”お客さんが好きそうな言葉”を並べたてて大々的に宣伝する。

 しかし、実情と全く異なる文句のため、実際来店された方々をがっかりさせるという結果になる。これがいかにマイナスになるのかは説明するまでもないだろう。何度も言っていることだが、”良い言葉”には並べれば並べる程インチキ臭く見えてしまう大きな欠点がある。

■ 中小企業と大企業の差

 中小と大企業のPRの大きな相違点は、人の数と予算だと考えていい。大企業といっても中にいる一人ひとりを見ていけば普通の人。しかし、数が多いことの良さは、視点が増えて「これは〜だからこうしよう」「これはいい!」という取捨選択の精度があがること。それから、どんなにヘボいCMでも露出頻度が高ければある程度の効果はある。予算が多ければ、能力不足だってカバー出来る。

 その中で中小企業が目立っていくには、宣伝会議時には社長・社員の壁を取り去り、可能なかぎりそれぞれの意見に対し意見をぶつけることが出来る環境作りをすべき。「1番難しいのは社長のエゴ」などと思われていると感じたら、PRは失敗に向かっていると思って間違いない。

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