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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


■ 「地域1番店」のヒミツ

メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。

 このメールマガジンでは、安っぽい宣伝文句の代表として「こだわり」を批判してきた。こだわりというのは、「差別化」の方法が分からない、または、差別化したいけど自信がない、でも商売だからそんなことは言っていられない、こんなキモチが見え隠れする言葉だからだ。

 最近は、その「ネコも杓子もこだわりづくし」から、少し工夫のある言葉が発明された。それは、

 「地域1番店」「地域1番店宣言!」だ。

 これは皮肉でもなんでもなく、上手く活用すれば効果も期待できそうな言葉。

■ なぜ「地域」なのか?

 誰も彼もがネットで商売が出来る!と熱がこもった時期があった。今でもネットの商売は盛んだが、振り返ってみれば全ての商売が全国や全世界に情報を発信する意義があるわけではないことに気付く。

 例えば地元客100%のたこ焼き屋さんが、全世界に情報発信してどうするんだろう?という疑問がわいてくるのだ。例えば、「ご家庭で美味しいたこ焼きが作れます」というオリジナルセットをネット販売するならそれもいいが、基本が店舗販売であるのなら、地域の方々に限定したプロモーションをした方が断然理にかなっている。

■ 地元限定商売で売れてる所は?

 ラーメン屋を例にとってみる。チェーン店でもないかぎり、ラーメン屋が大金をかけて宣伝広告をすることは少ない。地元の情報誌に5センチ角程度の宣伝を出したり、上手くいけば記事として取り上げられる事は有りうる。しかし、最も強力なのは「クチコミ」だろう。

 「あそこのラーメン屋美味いよ〜!今度連れてったるわ」とお客さんが勝手にお客さんを連れてくる連鎖が生まれるお店は「地域1番店」を名乗る必要は全くない。では、誰に必要があるのか?

 あまりクチコミが発生しない業種というのももちろん存在する。むしろその方が多いと言ってもいい。その力がない場合の「目指せ地域1番店」なのだ。

■ そこで「地域1番店」

 地域1番店というのは、多くのことを言っているようで、実は何も言っていない。

 何をどう比較したら「地域1番」なのか分からない。サービスなのか、価格なのか、売り上げなのか、そのあたりの根拠が全く分からない。更に、「どの範囲の地域で1番」なのかがハッキリしない。

 ところが、これが・・・

 「めざせ地域1番店!」

になるとどうだろう?いまだに何の1番を目指しているのか全く分からないが、突然親近感がわく言葉に変わったのが分かると思う。

■ 目指していることは良いことだ!

 「おかげさまで年商○○円」だとか、「売り上げ全国一達成!」、「目指せ加盟店1000店舗!」等と、完全自分寄りの”力自慢コメント”をお客さんに向けて打ちだしている会社は多い。これはあまりに明確に「なにで1番なのか、何を達成したのか?」を言いきっているために、親近感にはほど遠い。

 それに対して「目指せ地域1番店!」は、地域で1番親しまれたいという意味を含んでいるような、どこか控えめで日本的な良さを感じさせ、最近の「使える言葉」の1つといってもいい。(毎度の事ながら濫用は禁物)

 ただし気をつけてほしいのは、他の宣伝文句と同じく「言葉だけになってはいけない」ということ。その点は、当メールマガジンで以前取り上げた、

「致命的!メッセージ同期ずれ 上下」

を参考にしていただきたい。

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