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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


■ 売る相手と喜ぶ相手

メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。

 冬になると足下が寒いため、分厚い靴下をはく。すると毛が絡まりやすくすぐに毛玉になってくる。家の中で履くものだからと放っておくと、次第に毛玉同士が絡まりあってどんどんデカクなってくる。そんなの履いててはいかにもビンボー臭いので、

 「じゃ、捨てちゃおうか」

ということになってくる。

 これが靴下くらいのことだと、油断して勿体なくても捨ててしまう。ところが、見回してみると色んなモノに毛玉が発生している。殆ど毎日着ている愛用のMA-1のエリだったりすると、毛玉くらいでは捨てられないから、ようやく”なんとかせねば”という気持ちになってくる。

■ 百円ショップ

 100円ショップにあった毛玉取り。買って試してみると、これが非常に使える。MA-1の襟に早速試してみると、ガリガリと毛玉が取れる。そうすると当然、”毛玉だらけの靴下”もやってみようという流れになる。

 かくして毛玉だらけの靴下も毛玉を取ってしまえば殆ど新品に戻ってしまった!あの毛玉の下に、実はこんなにシャキっとした素顔が隠れていたのだ。無論その靴下は危うくごみ箱行きの難を逃れ、再度靴下として価値を持った。

■ で、どうした?

 これを教訓に辺りを見回すと、同じような話が実は色々な所で見られる。一般向けに作られた製品が全くうれなかったのに、「ユニバーサルデザイン」として売り出したら爆発的に売れたという話。その他にも長年ファンタジーファンに親しまれてきた「ロード・オブ・ザ・リングス」の原作本が映画化を切っ掛けに爆発的に売れたり、モノマネでマネされた芸能人がそのモノマネ芸人のおかげで人気が出たりという話はよく聞く。

 一番最近の例では「任天堂」がゲームポーイに懐かしのファミコンゲームを再投入した。これは30代になったファミコン世代(僕ははっきりいって欲しい!)をターゲットとして直撃している。確認に行ったら既に「品切れ」続出していた。

 また「昭和」が商品になって、レトロ居酒屋が増えたり、昭和の家具が流行ったりもしている。古い商品からホコリを払い(毛玉を取り)売り方、PR方法を変える等して売る相手を変えることで今まで見えなかった魅力が再発見されるということは多い。

■ 誰か他に売る相手はいないか?

 自分たちが

「この商品は○○歳代の年収○○で、ああだこうだ」

という層がターゲットだと思い込んでいるその思い込みを疑ってみると、実は意外な人にとってその商品が魅力的だということが見つかるかもしれない。可能な限り人の意見を聞いて、自分の考えと練り合わせることで、新しい発想が生まれることもあるだろう。

 (とはいえ、厄介なのは”自分の意見が一番優れている”と思っている助言屋さん。経験から思うのは、助言に慣れすぎている人は、多くの場合視野が狭すぎて参考にならない。こういう人の話を聞くときは「助言をください」という姿勢ではなく、雑談程度にとどめておく方が安全だ)

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