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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。

■ ブレインストーミング

 最近定着してきた言葉、「ブレインストーミング」。しかし、言葉は定着してきたとはいえ、その本当の意義を理解していない人は多い。そこで、今回はブレインストーミングについて少し。

 ブレインストーミングとは、”批評・批判することなく、思いついたことを挙げ連ねること。脳みその中で嵐を起こして隙間にたまっていたホコリを舞い上げる。手垢のついたアイデアより、実は誰も発言する勇気のなかった「ホコリ」の方が良いアイデアかもしれない”。だから、どんなバカな意見も、

「そんなくだらない」

と言ってはいけないという、深層心理を呼び起こす発想法。参加者がミエやエゴを捨てて、正しくやれば滅茶苦茶面白い!

 基本的には”アタマに浮かんだ考え”を思い付くままに言えば良いのだが、オリジナルな意見が出せる人は少なく「付け足し的」な意見が多くなってしまうことがある。それを封殺してしまうと口が開かなくなるおそれがある。付け足しくらいは認めるべきだろう。

■ 「なんでも言える」のと「なんでもかんでも言う」のは違う

 ただし、このルールにも1つ大きな前提があることを忘れてはいけない。それは、

「常に与えられた問題について考えている人、問題を意識している人、データを集めている人に限って”なんでも言う”権利がある」

 つまり、その場で思いつきでベラベラとオシャベリするのはブレインストーミングとは言わないのだ。そういうと、

「それはおかしい。普段から何も考えていない人や、素人でも新しい風を吹き込めるし、違う視点が得られるんじゃないの?」

と言う人がいる。それではあまり効果的はない。

■ 編集能力がキー

 何も考えていない人や素人とは、雑談という形でブレインストーミングの前の段階で準備をするといい。そういう素人と話すうち、無責任に放った何気ない言葉に、

「おっ!!これと、これを合わせれば面白いやん!!」

という発想に行き当たる。これが編集能力なのだが、普段から考えていない人達が集まって、”案”を挙げ連ねたところで

「で、このリストどうするの?」

ということになってしまう。根幹に解決したい明確なものがないから、深層心理を呼び起こそうにも、無いものは出てこない。

 他人のアイデアを取り入れることで今まで壊せなかった壁を壊すには、普段からこの編集能力を鍛える必要がありそうだ。

■ ブレインストーミング殺し

 その他、冒頭で部分的に認めた”付け足し”に説明を加えておきたい。完全な否定ではないけれど、”漁夫の利的付けたし”を専門にする参加者は指導、または排除しよう。ブレインストーミングを開始すると、他人が言ったアイデアに自分のアイデアを乗せるような感じで、

「それよりこうしたらどう?」

と、”それより”を連発する人がいる。人のアイデアに対して”更に良い”意見を持っているつもりだけど、オリジナルな意見を言うことはまずない。概ね、本人は「オレが一番鋭い意見を持っている」と勘違いしているのだが、実は単に準備の出来ていない人でしかない。

 もとより「それより」という言葉は部分否定だから、ご法度。どうしても付けたしがあるなら「お!それいただき。○○って手もあるね」と流れを止めないいい方をすべき。

 説明するまでもないが、最悪のブレインストーミング殺しは、「会議の警察官」を自任して仕切ったりケチをつける事を”自分のキャラクター”だと言い張る参加者。こんなのは即刻出ていってもらおう。

 最近は何かアイデアを出すとなるとブレインストーミングを行うことが多くなってきているが、より効果的に行うにはそれぞれの参加者が意義を理解する必要がある。

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