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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


■ お客さんの知性を軽視するな

メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。

 宣伝広告の研究をしていると他人の宣伝がすごく気になるもので、僕は普段から折り込みチラシ、雑誌の掲載広告、ポスティングチラシ、テレビコマーシャルのような一般的なものから、女性用のカタログ雑誌、フリーペーパー、看板、ノボリにいたるまで目に入るものは全てチェックしている。

 その中で最近特に気になるのは、お客さんの知性をバカにしているかのような宣伝文句を使っている企業だ。

■ お客さんは「限定○○人!」が好き?

 実際あった結婚式場の広告文面。近所で配付されているフリーペーパー。

「先着限定50名様に無料冊子を差し上げます!」

と書かれた”50名様”に大きく×印がつけてあり、

「38名  すみません、既に12名の方に渡してしまいました!」

 まず、お客さんはフリーペーパーといえども広告原稿の入稿期日というものがあることを知っている。しかもそれがかなりの余裕を持った時間ということも、当然知っている。お客さん自身が企業で働くうちに広告出稿というものがどういう仕組みなのかある程度理解している。だから「何をいってんだか。こんな広告にリアルタイム情報が載せられるわけがない」と直感する。

 しかも”12”という数字の出所も掲載した側の心理を読んでくる。

「5人では”たったそれだけか”と思われてしまう、かといって9人でも一桁だから力がない。10人はキリがよすぎてウソっぽいし、20人では”そんなに反響あるならわざわざ印刷で宣伝しなくても”と思われるかもしれない。11もわざと二桁に乗せたっぽい。13、14は数字的に縁起(結婚式場だから)が悪い。じゃあ、12辺りが1番真実っぽい数字かもね」

 お客さんに対して、くだらないウソをついたところで「そんなはずない」と思われてしまう。知性にはそれを越える詭弁やウソを練るよりは、誠実に接する方法を取ったほうが良い。

■ ネガティブ宣伝

 相手の心配をあおる方法もよく使われている。

「一生に一度の事で後悔したいですか?」

のようなタイトルから、

「○○会社の選び方のポイント。冊子プレゼント。
 当社の宣伝は一切行っておりませんのでご安心ください」

 これだって、知性のあるお客さんには「そんなはずなかろう」と思われてしまう。物は試しと冊子の応募はしてくるかもしれないが、その言葉に乗せられてしまうことに”操られてはいけない”と警戒する。

 新聞やチラシに書かれていることを鵜呑みにしてしまうお客さんばかりがターゲットであるなら、それはそれで構わないのだけど。(実は、前出の限定人数の宣伝とこの宣伝文句は同一広告内に書かれていた内容だ)

■ 書籍・雑誌は気をつけて応用する

 書店に行くと”過激”な成功を記した本や、奇をてらった宣伝広告本がはん濫している。

 その類いの本は読んでいると実際やる気が出てくる。なんだか上手く行きそうな気がしてくる。鼻息荒く自分でワープロに向かってみるのだが、上手くいかない。意外と難しいものだな、と大抵の人が行き詰まる。

 すると解決策として出てくるのは「本に書いてある文章をウチの店用に差し替えればいいんだ」と思ってしまう。そうして出てくるのは完全なパクリ広告。そして出稿してみたら、反響が無かったとうなだれてしまう。

 それは当たり前のこと。自分のお客さんの事を口を開けたヒナみたいに考えて、千円や二千円の本を真似したら売り上げが2倍・3倍になるなんて簡単に計算しないほうがいい。練習もせず逆転ホームランを狙ってもボールはバットに当たらない。ここはやっぱり地道に腰を落ち着けて、お客さんをよく研究してかかるべきだろう。

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