SNSやブログで“自分の意見”を主張するのは、自分の業界のことについてだけにする。

ある工務店の社長のブログを読んで驚きました。
かなり辛辣な言葉で日本と近隣諸国の関係について語ったり、ある宗教について批判したり、政治家を批判したりしていました。私だってその社長の主張すべてに反対、というわけではありません。でも、その時の気分をあえて俗っぽい言葉で表現するなら、

ドン引き・・・。

厳格な言葉を選んで重々しく書いてはいらっしゃいましたが、感情むき出しの主観的な文章でした。なにか個人的な事情がおありなのかもしれません。でも新規のお客様がご覧になるかもしれない場所にこんなことを書けてしまう社長の会社に、私なら家の相談なんてできません。

いえ、意見を持つなと言っているわけではないのです。
自分の意見は持つべきですし、主張してはいけないとは思いません。

ただ、社長が人を不快にさせるような表現で書いてしまって良いものかどうか。

良いはずがありません。

どうしても主張したいのだとしたら、他人のことには触れないで、自分の習慣や知識の根拠について書くようにしてはどうかと思います。宗教だろうが政治だろうが信念があれば、結果に責任を持つ覚悟で堂々と書いても良いと思います。

私は自宅に神棚を設置しています。
毎朝お水を代えて、決まった期間でお米と塩をお供えして、朝晩拝んでいます。
ただ、厳格なお祀りの方法を知っているわけではありません。15年ほど前、自宅を新築した時、ある神社で『正しい神棚のお参りの方法を教えていただけますか?』と伺ったところ、

「あまり気負いしないで。お水だけ毎日お取り替えして、お塩とお米は月に数回でもかまいません。毎朝晩よく拝んでくださいね」

と言っていただいたので、おそらく世間一般的に言えば簡易的なお参り方法をしていると思います。他の方がどうされているかも気になりませんし、これが私の誠心誠意の方法です。

ただ、人によっては、

「そんなもの、毎日水・コメ・塩を全部代えなきゃだめだ。神様に失礼だ!」

と、咎められることもあります。
これをこのまま、

「今日、こんな馬鹿な神棚の扱いをしている人がいた。信じられない!」

と書かれたら、私は腹が立ちます。でも例えば、ブログにこのことを書くのだとしたら、

「簡易的なお参り方法をされる方もいらっしゃいますが、私は毎朝水・コメ・塩を新しくしています。なぜなら・・・」

と自分の事を中心に書けば、それは読んだ方の知識になります。より正しい方法でお参りしたいけど、どうしたら良いか?と思っていらっしゃる方は、正しい方法を取られるでしょうし、もしかすると

「へ~!簡易的なお参り方法もあるんだ」

という方にとっても、新たな発見となるかもしれません。
この書き方なら、私自身も『考え方の違いだな』と気になりません。もしかすると明日から正しいお参りの仕方に切り替えるかもしれません。(笑)ちなみに、参拝前の体の清め方からしても既に簡易化されているので、本気で正しく行うのは一般的には難しいと思います。

結局、一番安全なのは・・・

主張をあまり厳しく書いてしまうと、伝わるものも伝わらなくなってしまいます。他人の習慣について否定するのではなく、自分の習慣や考え方の根拠を示した方が公平です。

気を使いすぎて言うべきことも言わないのもどうかと思いますが、ネットで自分の意見を主張する時は、

自分の業界のことだけにする。

家づくりの信念なら、熱っぽく語っても時に自社と違う考え方の比較になってしまっても、伝わる人には伝わります。
昔から、パーティーでは

政治・宗教のお話しは控える

ことがマナーとされています。
これはネットでも同じです。
私の知り合いもSNSで、

「○○総理は嘘つき」
「○○漁は即刻中止すべき」
「○○党に騙されている情弱は・・・」

などと書かれた記事を盛んにシェアしたり、自分自身で書いたものをタイムラインにアップしてきます。しかも、「議論は受け付けない」と明言してしまうこともあります。そうすると、仮に私が反対の立場だった時は、私に対して言い逃げをすることになってしまいます。とても正しい主張方法とは言えませんよね。