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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


■ 今の”和ブーム”って

メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。

 アイドルグループが農作業をし、農村に住むテレビ番組(僕は結構楽しみにしている)。今風の無精ヒゲの若者が仲間と炬燵を囲み、鍋をつつくTVCM。奥様番組を見れば「アジアンテイスト家具」を使い自宅の味気ない和室を”居酒屋”のようにしてご満悦。

■ 日本の再発見???

 流行りの情報に終始さらされ、「和風」に興味をもつ人が増え始めた。これは日本人が日本を再発見、再評価し、あるべき姿に戻り始めた証拠なのだろうか?僕はどこかに違和感を感じている。その理由は、現在の「アジア」の売り方にある。

■ アジアを宣伝

 今、深紅の背景に長い黒髪、めりはりを効かせた目のメイク、細身の体にピッタリとした衣装、躍動感あふれるスタイルの良いモデルを採用したTVCMが流れている。黒赤のコントラストが鮮やかだ。

 実はこれ、「欧米にアジアを売り込んだとき」の手法そのまま。アジアは海外に行けば「商品」だ。アジアに来て欲しい、アジア風の製品を買ってもらいたい、当然そういう市場がある。そのときこのCMとほぼ同じ色合いで、躍動感あふれる映像が使われ、それを外国人達が見た。            

■ アジアのイメージは?

 このような番組やCMを観るとき、「アジア」は既に日本人の心には存在せず、商品として”売り込まれる”ものになっているのではないか、という気持ちになる。

 というのも、例えばアイドルが田舎に住んで農業をやる番組の中に「懐かしさ」というものは一切感じない。ノスタルジーを感じ、失ったものを取り戻したい気持ちというより、自分の人生にはなかった新しいものを教えられ、それに憧れる感覚。つまり「日本昔話」の世界を体験するようなものでしかない。ユニバーサルスタジオでライドに乗るような”疑似体験”か、または軽い

「やってみた〜い!(乗ってみた〜い)」

という気持ちが人気の秘密なのではないか?

 こんなブームを経験したお客さん達は、次にどこへ行くのだろう?

■ ”疑似体験への憧れ”はライフスタイルになるか?

 これは大きな問題なので答えを出すことは難しいが、疑似体験には飽きが来る可能性は高い。とはいえ、このブームで身に付けた”古風な生活”をライフスタイルにしていく人達も少なからずいるだろう。また、環境問題を考えると、この”古風な生活”をせざるを得ない状況に世の中自体が変わっていくことも十分考えられる。

 お客さんとのコミュニケーションを考える上で、対象層の絞り込みは当然のことながら無視は出来ない。”ブーム”という現象を一過性のものとしてとらえ「ウチは業種が違うから関係ない」などと言っていては出遅れる。世の中はどこまで行っても”マスメディア”に左右されていく。人々は影響されていないつもりでも確実に影響され変わっている。

 今ある現象を経験した後で、飽きる人、ライフスタイルにする人、忘れる人が次にどんなスタイルを求めるのかを考えたい。

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