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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


■ 職人の技とマメな性格

メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。

 技術があるから売れると思っている人も、キャラクターが良いから売れると思っている人も大きな勘違いをしていることに気づいたほうがいい。高い技術や、”面白い人”というだけでお客さんの心は全く動かない。

■ 出会い

 車好き同士の縁があって、ある職人さんに出あった。もともと僕が職人さんとの付きあいが多かったこともあり、初日から9時間近く話し込んだ。仕事の話で伺ったのだが、

「こりゃ、仕事の話をするまえに、とことん付きあって話をしたい相手だな」

と思い、2度程通って話した。2回目は車の修理も手伝った。おかげで機材の選び方から、仕事の考え方、お客さんとの関わり方、今までのお客さんとの体験等々、スカした”打ちあわせ”だけでは絶対に分からない相手の”実像”が見えた気がした。もう一つ写真好きということもあり、後日一緒に写真撮影をすることになった。車と写真、二つの趣味が偶然重なった。

■ ウデがイイのは当たり前

 職人は腕がいいのは当たり前。この職人さんの仕事は、全国で発売されている雑誌の表紙や有名トップレースチームの車両修理、宣伝広告のデモカー等々多岐にわたる。

 そういうと「パブリシティーが上手いだけで、実際の仕事が出来るのとは違うかもしれんじゃん!」とつむじを曲げる方も多いだろう。しかし、そうではない。

■ お客さんとの関係作りが凄い!

 僕が関心したのはパブリシティーが上手いことではない。お客さんとの関係作りへの人並みならぬ目立たぬ努力だ。

 車好きを相手にしているため、お客さんの愛車にかける愛情は凄い。その愛車を直す(チューンする)わけだから、わが子を医者に入院させているも同じ。ここで、

 「えっと、出来上がりは2週間後だから、また連絡します」

では納得出来ない。そんな店には頼まない。この職人さんがただ者ではないのは、この部分へのケアのきめ細かさだ。

■ 趣味と仕事を結びつけ

 先にも言ったが、この職人さんの趣味は写真だ。その写真の腕を利用して、お客さんの車両の仕事の進捗状況を画像入りのレポートで毎日報告している。それもいわゆる「ビフォー・アフター方式」でまとめたり、修理箇所を矢印で説明するなど、本当にきめ細やか。

 伺った当日見せてもらったが、写真も相当な枚数ポジで撮っている。だから、”ここを見せたい”という部分が分かりやすい。他のボディーショップのオーナーがマネしようにもなかなか出来るものではないだろう。

■ そうして完成した後は

 よくクチコミを説明した本に「女性は自分のよいと思ったものを人にもすすめる」と書かれているが、ことマニアに関しては男はそれ以上だと言ってもいい。

 あるショップの仕事に感動すると、”あそこは凄い!”と一気に噂は広まる。何しろ大切な愛車、失敗したら別のところへなんて言っていられない。一発勝負で信用のおけるショップに依頼したい、そんな気持ちが共通なものになっている。だからこの店には全国から修理依頼が集まる。(その修理車を社長自ら運転して積車で受け取り・納車に行くマメさも強調しておきたい)

■ クチサキだけではダメなこと

 最近はガイド本を参考にコピーのモノマネをしてみたり、言葉だけで売ろうとする人が多い。しかし、そんな小手先勝負ではお客さんには何も通じない。

 確かな技術の中に、お客さんとのコミュニケーションを上手く持ち続ける

 ・ マメさ

 これがしっかり融合していなければ、口先で何を言ってもダメなんじゃないだろうか?これからは

 「オレはタイプが苦手だからメールは嫌い」

などと言っていたら技術が泣くことになる。タイピングは簡単だ。ここは一念発起して、ブラインドタッチをマスターし、メールを書くのが苦痛に感じなくなる訓練をしてほしい。

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