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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


■ 他人のふんどしを使うべし

メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。

 先日、愛知県に完成した大型ショッピングセンター「キリオ」についてお話した。このキリオの周辺では色んなことが起きている。その点も観察せずにいてはもったいない。

■ っとに、もったいない寿司屋

 地元の人には分かってしまうので名前は挙げないが、キリオの向かいに回転寿司屋がある。あまり食欲をそそらない色使いの店舗ファサードに水あかがついたような壁。駐車場はそこそこあるのだが、いまいちピントがボケている店。

 さあ、この店の目の前に「超ド級のショッピングセンター」が出現。宣伝広告の範囲は半径約10キロメートルくらいか。その集客力といったら計り知れない。

 あなたが店主ならこの機会をどう受け止めるだろうか?

■ キリオのオープン前にすべきこと

 ここの店主ならば、キリオがオープンする前に店舗を改装するなり、せめて掃除会社を雇って店をリフレッシュして臨むべきだ。ちょっとはお金をかけて、理想的にはキリオと時を同じくしてオープンしました!とばかり演出し、この好立地がヒョウタンからコマではなく、力のある企業が堂々と進出してきたかのように見せることが出来たはず。

 キリオ内が混雑して、飲食店もディズニーランドのレストランの如く行列を作ることになり、かならずあぶれたお客さんや、

 「待つのはキライ。外で食お」

という人が必ず出てくる。それらの人々にご来店いただくのは間違った作戦ではないはず。

■ ところが・・・

 冒頭で説明した通り、この寿司屋さんは特に何も対策を打っていないように見える。その背後にはどんな気持ちがあるのか?

「店の前に大きな店が出来た!これで黙っててもお客がくる。らっきー」

かなり楽天的。

「こんな良い機会なのに、ウチには改装する余力がない・・・」

これは深刻。

「あ〜あ、キリオに全部もってかれちゃうなぁ」

とんでもない。内情はどうであれ、事実としてこの店は何も行動を起こしていないのだ。もったいない。

■ めざとい美容院と、広告代理店

 キリオに近づく交差点に、巨大な看板が立った。とにかく目立つ。その看板は、美容室。その看板から20メートル程向こうに店舗がある。新しく、しゃれた感じの(よくある)店だ。

 ここにいつ進出してきたのか知らないが、キリオの集客を狙っているのは間違いないだろう。目立つし、新しいし、専用駐車場もある。

 店側としても、場所を伝えるとき、

 「キリオの○側の信号を右です」

と言えるから、印象が強い。宣伝広告を打っても店の場所が分かりやすいと、

「あ、ここキリオの向かいだ」

と認識されやすい。同時に「場所が分かりやすい=信用がおける」という心理も手伝って、とても来店しやすくなる。

■ 人のふんどし

 昔から他人のふんどしで相撲をとることは卑怯モノのやることと思われている。確かに、他人の功績を自分のモノのように吹聴するなど持ってのほか。

 しかしこの場合、キリオ側も周辺の商業が盛んになることは存続する上で重要なことなのだ。キリオが来たことで周辺ビジネスが廃れてしまった、というのでは親しまれることはない。そもそも「大企業」にとっては、自社が進出すること自体が”開発事業”である。

 バッタの大軍のように、”大企業が通った後は雑草一本残らない”ようでは「大企業」は大企業であり続けることが出来ない。

 だから、こういうふんどしはどんどん使って、大企業の資力を尽くした集客に上手く乗らなければならない!これは千載一遇のチャンスと理解せねば。

 あの寿司屋は、かなり惜しいことをしてしまった。スタートでつまずいていることに気づいた時にはもう遅い。既にお客さんの先入観は固まってしまっている。

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