ネットで御社のことをどう書かれているか、一応はチェックすべき理由。

某工務店(家づくり会社)比較・口コミサイトは、影響力が強いのにその内容の不確かさで建築業界ではよく知られています。

悪い評判を立てようとしている犯人が“おそらく”元従業員ではないかという話や、クレーマーのような方が“不当に追加工事を無料でせよ”という要求に工務店が従わなかったことへの腹いせだったり。本当に色々な“悪意”を見る場所でもあります。あるときは工務店側が運営者に「誰が書いているのか教えてほしい(もちろん断られたそうです)」と問い合わせたら、ほどなくして

「運営会社に圧力かけてもみ消そうとした」

と書かれたそうで「これ、内部の人が書いてるんじゃないの?」となり、社内の雰囲気が悪くなったそうです(聞いた話なので、裏取りしてません)。
それどころか、善意で援護射撃に入った工務店の正真正銘の施主さまが書き込むと、

「従業員のなりすまし」
「たまたま当たりを引いただけ」

とまで反論してきます。別の工務店では、

「検索で出てくるページの最初の方に悪評が入っているから、良い評判のコメントを投稿して悪いコメントを埋もれさせよう」

と考えて、一応嘘はつきたくないということで、仲の良い施主さまに頼んでコメントを入れてもらったそうです。しかし、敵はすぐに気づいて

「ヤラセでこのコメントを追いやろうとしてる。あの経営者の考えそうなことだ」

と書かれるなど、見えない相手と戦う難しさを痛感しました。
またまた別の例では、書かれたコメントに誠実に対応したいから電話してほしい、と書き込んだところ、

「パフォーマンスでしょ」

と、取り付く島もない。なぜこんなに怨みが深いのかはわかりませんが、書かれたら消せなくて、反論も関係修正の余地もない、なのに実害が残り続ける。工務店にやたらと不利なシステムに憤ります。

とはいえ、その中にも本当の不満が書かれている場合もあります。ある都市で実際に目撃した例では、

「数年前、あの会社で家を建てました。あの会社は大きな看板を国道から見えるビルの屋上に立てていますが、あの看板を通勤時に見るたびに苦虫を噛み潰す思いです」

という声もありました。そこで、この会社の新しい経営者が数年間さかのぼって自らお客さまに連絡を取り、不満のある方がいないかをしらべ、誠実に対応していったそうです。もちろん、どなたが書かれたか追及しませんでしたが、書き込みは消されました。

真実ではない、ただの誹謗中傷であってもまずは知ること

ほとんどの後ろめたいことのない会社にとっては「そんなことは嘘だから放っておけばいい」と考えたいところですが、スタートはまず知ること。

誹謗中傷を含め、自社がどのように書かれているかを把握すれば、前出の経営者のように一人ずつ対応していく事ができます。

創業から今まで、というと大仕事ですが、先の事例ではたまたま“数年前”と書かれていたことが幸いでした。この会社の“年間平均20棟”という規模から、最近連絡をとっていなかったお客さま10人程度を絞り込み連絡を取ることで解決できました。実際に補修が必要だった家は多くありませんでしたが、そこには多少コストがかかります。

ただ、誹謗中傷で被る損失に比べれば、お客さまのご不満に対応するコストは安かったということです。

中には「便りがないのは良い便り」と連絡のないことは問題のないこと、と考えている工務店もありますが、一応ネットで自社がどう書かれているかはチェックすることをおすすめします。多くの場合、Googleのキーワード入力欄に自社名を入れたとたんに、

「自社名 評判」

という予測キーワードが出てきます。これをクリックして数ページ分見てみてください。