「パッシブハウス」と聞いても、なかなかピンとこない人が多いかもしれません。

(今回は「パッシブハウス」について書きます。あくまでも批判ではなく「ああ、素人にはこんなふうに見えてるのか」と参考にしていただければと思います。やや理屈/屁理屈っぽい書き方になってしまうかもしれませんが他意は一切ありません)

ここ何年か

「パッシブハウス」
「パッシブデザイン」

という言葉をとってもよく聞くようになりました。

ただ、この言葉・・・ちょっと難しくないかな~と思います。
ドイツ人が考えた言葉のようですが・・・難しい!
私も英語が分かる方ですが、それでもやや混乱しています。

更に、日本でのパッシブハウスの本部でしょうか、そのホームページを見ても「エンドユーザーへの伝え方」というセミナーを開いているようですから、きっと

意味がよく分からない

とお客さまから言われている工務店が多いのではないかと予想しています。

パッシブデザイン、私たち素人にはこう見える

エアコンなどを使って強制的に温度を整えることを、『アクティブ(自発)』・・・。
その対義語としての『パッシブ(受け身)』なのだとしたら、

おお!エアコンもなんにもいらなくて、年中快適ってことか!!!
自然の力、あったかさ=太陽光、すずしさ=風だけで快適に暮らせるってことかな?

と思ってしまうのですが、冷暖房機器が不要な家ということでもないのですよね・・・。だとすると、どこが一番の魅力なのか非常に分かりにくい。

パッシブが利点として出てくるということは、その対極はアクティブ。だとしたら・・・自然と次のように言いたいのだろうと感じます。

アクティブ = 好ましくない
パッシブ  = この好ましい

でも世間には「アクティブシニア」とか、「アクティブな人だな」とか、アクティブって比較的好ましいイメージがあるので、それが好ましくないとは少々違和感を感じてしまいます。

ただ、こういうことなら分かる。

エアコン = 人工エネルギーを沢山つかう = 強制的に動かすからアクティブ = 好ましくない

では、その反対の位置には、

少エアコン = 人工エネルギー少し = パッシブ(ノーエアコンではないのでパッシブと言っていいのかなと感じるが) = 好ましい

加えて、

自然の力 = 人工エネルギー不要 = 人はなんにもしなくていい!パッシブ!! = 好ましい!!これなら分かる!

もう一つ分かりにくい要素があります。

パッシブデザインのホームページを読むと、

室内が温かい時はその熱を逃がさない
室内が涼しい時はその冷気を逃がさない

これは、高気密高断熱住宅でよく聞く説明なので、

「パッシブデザインは高気密高断熱住宅の仲間なのかな?」

と思ってよく読んでみると「高気密高断熱の仕様との組み合わせができる」と書かれていることもあって、

「あれ?やっぱり別物なのか。でも、パッシブデザインの家だけより高気密高断熱を組み合わせると“更に”良くなる・・・の」

とまた悩む。

素人である私たちが悩む理由は、白黒ハッキリしないこと

私たち素人はできるだけハッキリと白黒を付けてもらいたがる傾向にあります。例えば、こんな風に(【注】この対立は「例えるならば」というもので、成立しているわけではありません)。

パッシブ 対 アクティブ
パッシブ 対 高気密高断熱
パッシブ 対 冷暖房器具

これらハッキリしてもらいたい!と思う部分が、どうもモヤモヤしている感じがしてしまうのです。

ここが魅力なのではないかなと思った点

この記事を書くのにパッシブデザインの解説をいくつか読みました。
パッシブデザインの魅力って、その理論よりむしろ、

施工工務店の技術力にある

という点ではないでしょうか。

快適さを機械に頼らない。
それなら何で実現するか?
家そのもので実現する。
家は普通に建てるだけではダメ。
風や太陽のエネルギーを効率的に取り込める家。
風を読んだり、太陽を読める工務店が必要。

その土地をよく知って、四季の移り変わりを上手に一つの家に作り上げていく感覚を持った設計士がいる工務店が、パッシブデザインを推し進めている。

しっかり読んでみて、「ああなるほど」と感じたのはこの考えに至った時でした。
でも、やはり素人には白黒がハッキリしたもののほうが好まれますから、どこかにわかりやすい比較を入れていただけると非常にうれしい。