今回はやや技術的なお話しです。
途中、なかなか“集客”の話になってこないですが、これだけは言えます。
「時間の無駄を無くして、集中すべきことに集中できるようになる」
ということです。さて本題に・・・
本当にネット技術の進歩は早いです。
正直言って、こんなに早くて良いのでしょうか?こんな進歩が必要なんでしょうか?と悲鳴が出るほど早いです。
ネットの20年の発展をカンタンに説明
制作の裏で何が起こってきたか?
20年前までは「HTML」というシンプルなプログラムが分かればだいじょうぶでした。数種類のブラウザを4種類程度のサイズ違いのブラウン管のモニター(13インチ/15インチ/18インチ/21インチ)上で使われることを想定して作っていました。とはいえ、15インチが主流でしたから、
「15インチで作っとけばいいでしょう」
という時代。その後、HTMLにくわえて文字サイズや背景色などの細かな設定部分だけを分離したCSSという言語も使われるようになりました。
このCSSが悪の根源。
ブラウザごとに読み込み時の解釈が違ったり、対応していない値があったりして、段々と制作側に要求される表示チェックがシビアになった!(当社は早々に無視しました)
あっちのブラウザをしらべ、こっちのブラウザでしらべ、
「この文字がズレてる。あのグラフィックがズレてる」
と延々いたちごっこをやって完成しても、集客効果に全く関係なかったりするのです。当時、ネット上にはブラウザの開発会社への怨みの言葉が世界中で溢れていました。
さて、さらに現在はもっと困ったことになっているんです。
使われる機器(デバイスとか呼ばれますね)が多岐にわたり、それぞれの機器で画面の縦横の長さ(解像度)が異なるばかりか、
縦にも横にも使われる!!
という恐ろしい状態になっています。
それを一つのホームページで全部対応しようというのですから大変です。当社では、積極的にウェブウェアの制作ツールを活用し、グラフィックの若干のズレは不可避なものとして妥協していただくという方針で制作しています。
デザインの正確さにこだわる時代は終わりました
実は、微妙なズレを修正して、美しさを追及するのは「印刷業界」からの名残です。印刷業界では、文字間隔や行間、文字の始まりの並び方、フォント、写真の発色などなどすべてを完璧に整えることが普通です。
印刷機に入る前にデータは一つにまとめられ、固定され、それを1台の印刷機で印刷しますから、結果を完璧にするのは当然のことでした。
が、スマートフォンの時代はもはや印刷的な考え方はしません。デザインすべきは見栄えではなく、
アクセスしたお客さまの体験
(UX(User Experience)デザイン、という新しい言葉があります)
です。
どんなコンテンツでお出迎えをするか?
そのページでは不十分だとしたら、次に何を読んでいただくか?
お客さまにとって有益な情報を読み進めるうちに、御社の思想を伝える。
また戻ってきていただくために、新しい情報を用意しておく。
読み終わった時には、なんらかの問題が解決していることを目指す。
スマートフォン時代には、印刷時代やブラウン管モニター時代のホームページ制作のセオリーである、
「左上のロゴを見て、Z型に読み進める」
なんてことはありません。
スマートフォンの小さなページに映し出された情報の中から、瞬時に必要な情報を「スキャンする」高い技術を身に着けたお客さまが相手です。
お客さまが欲しがる“はず”の情報を予想してご用意して待つ。
そして、お客さまのアンテナに引っかかってくれそうな言葉を日々研究して使っていく。
そんな努力をデザインの完璧さより優先してください。ただ、
デザインなんかどーでもいい
という意味ではありませんので、誤解なきよう。m(_ _)m