工務店のインスタグラムを色々とモニターしてみてわかったことを紹介。

インスタグラムでほうぼうの工務店をフォローしています。
最初は

「インスタグラムなんて」

と思っていたのに、見ているうちに親近感が湧いてきて、リアルの世界の知り合いの気分になってしまいます。いつの間にかコメント残したくなるのは、私が単純な性格だからかもしれません。

でも、私の目的はこれが集客にどれだけ効果があるのかを確かめること。

写真の傾向

流れてくる写真は、イベントの様子や現場の様子、投稿者の普段の生活や、おすすめ商品のことなど多岐にわたります。それらを一枚ずつフィルターをかけてアップロードしている会社が多いです。

面白いなと思ったのは、現場写真の中でその工務店が独自で行った工夫を紹介されている時でした。
それが屋根裏だったり、書斎だったり、ペット用に家の中に特別にあつらえた場所だったりというものです。その遊び心が工務店らしさにつながっています。

「ん?」と悩んだのは経営者のお子さんの学校イベントに参加した時の写真などを見た時。もちろんプライバシーにちゃんと配慮されていて顔が写らないように遠くから撮った写真が使われていましたが、これを誰に見せたいのかなと思いました。既存客でしょうか、知り合いでしょうか。新規客にとってはどうなんだろう。

とはいえ、より“その人・その会社”のリアルさを感じることができると言えばそうですね。
お子さんの運動会に参加するような人ですから、悪い人ではない印象は受けますし。

拡散される可能性は?

インスタグラムなどの活用方法の一つに、“拡散”があります。シェアと呼ばれますよね。シェアしたくなる写真は、もはやアップした人の想像を超えるところまで広がっていきます。瞬く間に数百人、千人二千人になって、恐ろしくなります。
とはいえ、地元密着の工務店の場合は、地球の裏まで拡散される必要はないわけですが、SNSのシェアは

大は小を兼ねる

なので、話題になれば良いことがあるかもしれません。
世界中にシェアされれば、隣人も知ることになる可能性は高いですから。

これまでインスタグラムに掲載されていた中で「おっ!」とシェアしたくなったのは、ある工務店さんが出していた

「意外なもので○○を掃除すると、こんなにきれいになる!」
「iPhone の意外な使い方」
「自社がてがけた、お客様の新店舗のキャンペーン情報」

こんなところでしょうか。
もちろん自分自身で発見したものではなく、「ネットで言われていたのを実際にやってみた」というものです。ネタ元はネット情報なので、「確かめてみた系」のコンテンツアップは、これはこれで無理なく続けるには良いアイデアかもしれませんね。
ちなみに、こんな情報は

ライフハック

と呼ばれて非常に人気があり、どんどんシェアされています。
それなら、職人さんのちょっと変わった自作の治具を紹介してみるとか、現場でパパッっと分解可能な作業台を作ってしまう様子なんかをアップすると面白いのかもしれません。

工務店のインスタグラムを集客に使うのであれば、

写真やその写真の示すものがシェアしたくなるかどうか

という点は外せないです。
ただキレイな写真をアップしたり、普通の写真にフィルターをかけるだけでは面白くないですよね。

中の人、を知ることができる安心感

社内の和気あいあいとした雰囲気をアップしている会社もありました。活気あふれる感じが伝わってきますから、これから家を建てたい人の目に触れるところまで行けば、中の人を知ることができて安心してもらえるかもしれません。だとするとコレ、新規客ではなく既存客との交流ツールかな?

ただ、どこまで行っても、ちょっと待てという思いが

「これ、フォロワーって誰なんだろう?」

という疑問を感じさせるアカウントが多いんです。
というのは、仲間の工務店同士で「いいね」しあっていたり、コメント欄にスタッフのことを知っている人が言葉を残していますから。
知り合い間、既存客とのコミュニケーションの場としての使われ方から抜け出ていないアカウントが大多数でした。

インスタグラムは操作的には手軽かもしれませんが、手軽であるからこそコンテンツの面白さが重要になります。

もし、担当者がプライベート写真ばかりアップしていたら新規のお客様はフォローを外してしまいます。たとえ格好いい家の内装外観だったとしても、連続して見ていると飽きてしまいます。先ほどお話ししたような工務店独自の“工夫”を時々挟んだり、ネットのネタを「確かめてみる」などの方法で、ピリッと辛味を効かせることができなければ、労力をかけても集客としては意味がありません。

もう一つ気になったこと

工務店アカウントに限らず、手当たり次第に面白そうな人をフォローしていたところ、あっという間に私自身をフォローしてくれる人が100人超えになってしまいました。

インスタグラムでは、アカウント主は自分がフォローされたら気軽にフォローバックしてくれます。特に“業者”として投稿している方は、新しい人が“一般の人”だったら挨拶代わりにフォローバックという感じです。フォロワーを数字的にだけでも増やすのは簡単かもしれません。ただし、“業者”だと事情は違う可能性もあります。

気になったのはインスタグラムでは、自分をフォローしてくれている人もフォローしている人も全員あけっぴろげですから、もし他社が御社の一般登録者を片っ端からフォローすると、新規のお客様は御社にたいしての義理はありませんから、他社のアカウントもフォローバックしてしまうかもしれません。

とすると、せっかく御社が集めたフォロワーを他社に便乗されてしまう可能性があります。さらに、その他社が面白い、きれい、ためになる写真をアップしていたとしたら・・・。

困ったことになってしまいますね。
だからこそ、コンテンツは他社に負けないものにする覚悟がいります。
もしコンテンツのあてが無い場合は手を出さない方が良い、という可能性も否定できないわけです。

コンテンツの参考になるかもしれないこと

最後に、私が個人的にインスタグラムより気に入っているのは、

Pinterest ピンタレスト

です。適当に見ているだけでもだんだん自分の好きな内容を運営側に把握されていくのが分かります。

リビングのウォールシェルフをDIYしようとデザイン用の資料を集めていた時には、次から次へと良い写真が出てきて飽きずに眺めていました。その途中には、様々なインテリアの工夫やデザインも出てきたりして、想像力を刺激してきます。

ここを見ていると、工務店として出せる、見込み客が見たい写真のヒントが出てくるかもしれません。是非、ピンタレストにも一度アクセスしてみてください。