自然災害のあと、ホームページのトップにお見舞い文を掲載する工務店はとても多いです。
しかし、掲載する文章、期間、方法などを間違えると会社にとってイメージダウンになってしまうことがあります。
弔慰やお見舞いの気持ちにイメージアップとかダウンとか浅ましいことを言うな!
と、そんな声も聞こえてきそうですが、それも踏まえたお話しです。
どこを調べてもお見舞い文をいつまで掲載すべきか、という正確な期間に関しての答えはありません。ですが、一つ言えるのは多くの人が、
一応出しておけばいいだろう、というホームページを見ると偽善的な感じがする。
コピーペーストしたような同じ文章ばかりで嫌悪感さえ覚える。
こんな言葉をネットに残しています。
震災後にフェイスブックのプロフィール写真に
Pray for Japan
という英文が重ね書きされました。
フランスのテロのときもそうです。
ですが、このときも「何かのイベントに乗っかって喜んでいるみたいだ」という批判が噴出したのは記憶に新しいところです。
掲載する文章は、社長自らの言葉でお書きになったものを掲載する必要があります。コピーペーストや例文に習って書かれた物は、読む人に一瞬で伝わってしまいます。
2017年6月の時点で、未だに東日本大震災のお見舞い文がトップページに掲載されている工務店もあります。これはさすがにどうかと思います。
現在一番多いのは、熊本の地震被害へのお見舞い文ですが、比較的九州に近い地域に多いようで、このあたりの対応方法も難しいところだと思います。
被害が大きいから書くのか?
被害が小さければ、取るに足らないことなのか?
地元の災害(水害など)の時にはどうするのか?
どちらも当事者にとっては一大事ですから、対応に差をつけるのはよくありません。とはいえ、全国の自然災害を網羅すると、それはとても不謹慎ですし、現実的ではありません。
だけど、何も書かないのもどうだろう?
という気持ちもあります。会社の方針として、なんらかのお見舞い文を掲載する方針であれば、どこかに掲載期間としてふさわしい基準はないものでしょうか?
何か災害がおこり人的な被害が発生した場合、半旗・弔旗を掲げるという文化が世界中にあります。
これ自体にも期間的な決まりはないようですが、東日本大震災の際には官公庁では1か月間、東京都内の小中学校では4月末まで半旗を掲げたということです。
これまでに東日本大震災の復興にかかっている時間と現状を考えれば、1か月とはとても短い印象がありますが、この政府の方針を参考にしてはどうかと思います。
もう一つの例では、1989年、昭和天皇が崩御された際には、下記のリンクのような通知が文部省(当時)からなされました。
その内容は、
一 崩御当日を含め六日間、弔旗(半旗掲揚の慣行のあるところでは半旗)を掲揚するとともに、公の行事、儀式その他の行事等であって、歌舞音曲を伴うものは、これを差し控えること。これらの行事等を実施する場合においても、弔意表明及び適切な運営について十分配慮すること。
様々な行事での“自粛”に関しても6日間ということです。
個人的には事の大きさと比較してこの短さに驚きましたが、7日目から世間が普段通りに戻ったわけではありませんから、震災から1か月の半旗、というのは適切な期間なのではないかと感じました。
ホームページへのお見舞い文掲載は1か月、その後は実際に御社が行った被災地への支援やボランティアの報告を随時掲載するなど、実際の動きを掲載してはどうかと思います。
ちなみに、当社では災害時にホームページには何も掲載しない方針です。自社の防災準備を再確認する機会としています。