10年以上前のことです(2005年頃)、当時はホームページを作成するとき
CGI
というプログラムを使って、パソコンに詳しくない人でも最新情報を更新出来るようなしくみを作っていました。
ところが、サーバーの設定がややこしいことや、時々不具合を起こすこと、ホームページのリニューアル時にはオリジナルシステムが根を張りすぎていて、後任のホームページ制作業者がデータを引き継げなかったりと問題が多い仕組みでした。
そこへ、MovableTypeというブログのシステムを簡単に自サーバーに組み込める、しかも世界中で使われているシステムが出てきました。
ただ問題は、このMovableTypeは一部有料だったことと、作られたホームページがどれもコレも似かよっていて面白味がなく、私達にはあまり魅力的なシステムではなかったことです。
同時期にMovableTypeより少し認知度の低い
WordPress
もありました。現在、世界標準と言われるほどの認知度まで成長しました。
こちらは無料。
しかも、WordPressベースで作られたホームページはデザイン性も高かったのです。
当社はすぐに飛びついて活用方法を模索しました。
最初に行ったのが、当時ある工務店で建築を予定していた建売住宅(分譲住宅)を紹介するブログでした。その名も、
分譲住宅の履歴書
今は同趣旨のページが数多くありますが、当時はどの会社も「分譲住宅はチラシが主。完成後にホームページで紹介して売る」という姿勢でした。
分譲住宅で怖いのは、お客様はもう既に出来てしまっている家を見て購入を決定するため、その家の構造がどうなっているか、施工がどうかという壁の向こう側については業者の言うことを信じるしかないことです。
一番良いのは、証拠を見せることです。
私はちょうど物件の近くに住んでいたので、ちょくちょく出かけていっては写真を撮りました。撮ったものはすぐに紹介文とともにアップ。
家が出来ていく様子をつぶさに見られるということで、このエリアで家を買いたい建てたいと思っている方がアクセスしてくださいました。現場で撮影していると、ブログを見て偶然見学に来た方と出会ってお話しをすることもありました。
完成した家は、ややグレードが高い家だったため右から左へ売れたとは言い難いですが、商談にいらした方に『履歴書』を見せると大変喜ばれました。最終的に購入してくださった方も、ブログを見ていた方でした。
これは、ブログが殆どなかった時代のお話しです。
今でもこれを実践する意味はあります。
ただし本家HP(御社ページ)にある程度のアクセスがあることが条件になります。
本家HPから建売住宅に興味のあるお客様をブログへ誘導する。
もし本家HPにアクセスが少ない状態で、家ができる頃からブログを作りはじめ、家が完成するまでの5か月程度の間毎日更新したとしても、おそらく反響は望めません。
その時に合ったツールの使い方の見極めが大切なのです。
時代に合った使い方と、御社ワークフローの維持が大切
その昔、あるビジネス書が出てから「マーケティング」という言葉を誰もが使うようになり、新しいツールが出てくると必ずといっていいほど、
○○マーケティング
というネーミングで講習会が開かれたりします。
ところが、そのメディアに合った使い方だけでなく、御社の仕事の進め方に適した使い方を考えないと、
導入してみたは良いけど、殆ど使われずに終わった
という結果になってしまいます。
社長ブログ、スタッフブログ、フェイスブックやツイッターを勇んで始めてみたはいいが、意外に面倒くさくて、続かなかったという経験はありませんか?
また、新しい方法そのものを胡散臭く感じて、
「ちょっと様子見」
と放って置いたら他社の事例で無視できない効果があることが分かった。そこで、その古い方法を後追いで使い始めると、
もうお客様が手の内を見透かしてしまい、乗ってこない
ということになってしまいます。
新しいものに飛びつく、様子見する、他社の効果を見てから導入する。
導入のタイミングはいつが正しいという判断は難しいです。
まずは、御社のワークフローをそれほど改定しなくてもできる、担当者がコロコロ変わっても問題の起きない仕組みを作って、新しいものも柔軟に採用・撤退できる会社の体制づくりが大切です。
新しいツールは、世の中で大きく取り上げられるギリギリの時期に既にスタートしていた、というタイミングが一番美味しい部分を獲得できます。
ただ、賞味期限もありますので、その見極めもしっかりとお願いします。