工務店ホームページでもっとも重要な要素の一つが
写真
です。
それは、家の完成写真だったり、スタッフの写真であったり、建てた家で暮らしている施主さまであったり、その会社が何を目指しているのかで異なります。
デザインやオシャレさを見せるなら家の写真や、施主さまになります。
人に焦点を置きたい場合は、スタッフの写真。
お客さまの満足度の高さを見せたい場合は、施主さまの笑顔。
またはこれらの複合でしょうか。
どの写真も大切です。
全国の工務店のホームページを見ていくと、この会社はどうしてこんな写真を使っているんだろう?と首をひねりたくなるものがあります。例えば、
フィルムの頃の写真をスキャンしたもの。
スタッフが撮影した写真で明るさの足りないものをそのまま使った会社。
何を見せたいのか分からない写真。
抽象的な写真ばかりで、何屋さんかさえ分からない写真。
こんな写真を出している工務店は、わざわざお客さまを回れ右させたいかのようです。写真の質が悪いな~と思う方、これだけは今すぐ何とか対策してください。ホームページのデザインが古いことはまだ許されますが、写真がいいかげんだとお客さまは一瞬で去ってしまいます。
写真を撮る時はどうすればよいのか?
プロのような写真を撮ることは簡単ではありません。それは当たり前。
でも、良い写真を撮ることは難しくありません。
- 三脚を使いましょう
最近のカメラはとても頭がいいです。
少しくらい暗くても、三脚にカメラを固定して撮影すればあとはカメラがやってくれます。面倒くさがらずに、高さもカットごとに変更して撮影しましょう。
- カメラのフラッシュは使用しない
カメラのフラッシュは記念撮影などで、「とりあえず写っている状態」を作りたい時に使います。家の写真ではフラッシュを使わないで撮影してください。
フラッシュはカメラのレンズとほぼ平行に光が飛びます。そのため、影ができずのっぺりとしたり、真ん中だけ明るい写真になってしまいます。
じゃあ、暗い時はどうするの?ということに次の項目で答えます。 - 絞りの固定方法を覚える
絞りとはレンズから入ってくる光の調節のこと。多くのカメラには絞りを固定できる機能があるので、その方法を知っているだけで色々な表現ができます。
例えば、明るいところで光の量を測り、固定してアングルを変更すれば明るいところが適正な状態の写真が撮れます。逆に、暗いところで測光して露出を固定すれば、暗いところが適正な写真が撮れます。 - シャッタースピードの変更方法を覚える
シャッタースピードが遅ければ、その分、光を取り込む時間が伸びるため、暗い時にはシャッタースピードを遅くします。シャッタースピードが遅くなると手ブレが出やすいので、三脚を使用します。シャッタースピードは分数で表示されることが多いです。1/1000は、一秒の1000分の1。1/250は、一秒の250分の1。後者の方がシャッタースピードが遅く、光を取り込む時間が長くなります。 - 構図は「気持ちのよいところ」で撮ればいい
構図について難しいことを考える必要はありません。自分がファインダーや液晶画面を見て「気持ちいい」と思うところが構図です。これは個々人の美的センスに寄るところも多いですが、次の項目に気を付けて撮ってみてください。 - いつもシャッターを切る位置から少し近づいてみる
素人の方の写真を見ると「ちょっと遠くから撮りすぎていますね」ということが多いです。カメラは遠くのものを撮影すると奥行き感を平均化してしまいます。そのため、平面的で面白くない写真になりがちです。いつもシャッターをなんとなく押してしまう距離感というのは習慣性があります。少し前に出るようにしてみましょう。 - いつもシャッターを切る高さから下げて/上げてみる
多くの方が自分の目の高さにカメラを構えて、ややうつむき加減で撮影すると思います。すると、日常の見慣れた写真になってしまいます。見慣れた写真というのは厳しい言い方をすれば「つまらない写真」です。写真は見慣れた風景を違った感覚で切り抜くものです。
カメラを30センチほど下げてみたり、1mも上げてみると全然違う世界が広がります。カメラマンが脚立を持っているのは、普段見られない視点をつくるためです。簡単にダイナミックな写真が撮れますから、ぜひ脚立持参で完成現場に行きましょう。 - 何を撮りたいのかをイメージして撮る
テーブルの上のティーカップをオシャレに撮りたいのか、机を撮りたいのか。その机の木目を強調したいのか、艶を表現したいのか、外光がテーブルに投げかける光を撮りたいのか。自分が撮りたいものをイメージして撮影してください。
まずは、この程度のことを念頭に置き、必要があればマニュアルを引っ張り出してきたり、ネットからダウンロードして最低でも先ほどの項目にあった、絞りの固定方法やシャッタースピードの変更方法は確認してくださいね。