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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


■ 目立つチラシ!・・でいいの?

メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。

 このサイトにサーチエンジンからアクセスされる時「目立つ チラシ」というキーワードが使われる事が多い。どういった「目立つチラシ」を求めているのかは分からないが、一般的に”目立つ”広告のイメージを考えてみる。

 ・ 色がけばけばしくて「なんだこれ??」というもの
  (参考:http://www.t-rivers.com/flyer/fly_0011.html
 ・ フルカラー印刷のチラシ
 ・ 奇をてらったイラストもの
 ・ 有名人等の顔写真が出ているもの
 ・ 露出度の高い女性モデルが写っているもの
 ・ ナンセンス系のポーズで写っている人・・・等々

■ 「チラシは目立てばいいのか?」

 あえてこの小見出しの質問に答えるなら「はい」だといえる。チラシは目立てばいい。しかし、これがただ単に「アイ・ストッパー」、つまり目を止めるだけのものでいいのだろうか?

 例えばご自分の会社の売りたいイメージが「上品さ」だったとして、冒頭で言ったような目立たせ方で、欲しいお客さんが見てくれるのだろうか?おそらく、せっかくの上品さも「さりげなさ」がなければ悪印象になる。

■ 目立つことの弊害はないのか?

 チラシが目立つことで弊害もある。例えば、新聞に定期的に折り込んでくる住宅メーカーで、やたらと立体感・光沢感・成り金趣味的な「金・紫」をベースカラーとし、仕上げに外国のクイズショーのアシスタントのような、露出度の高いドレスを着た外人モデルを起用したチラシを作っている会社がある。「顔の見える商売」を目指してなのか、なんだかバブルっぽい男女の社員が肩を組んで写っている。コピーも「高級」「超豪華」が並んでいるのだが、価格がえらく安いのだ(ほとんど不安なほど激安の域)。確かにこういった「高級感感覚」を持ったお客さんもいるかもしれないが、品がない。

 ほとんど月1〜2回ペースでの折り込みなので、僕もしっかり記憶してしまったが、その記憶の区分は「危険信号域」に入っている。つまり、その金色と紫色を見た途端「いやっ!見たくない」という拒絶になっている。だから、会社名なんて全く覚えていない。

■ 見てもらいたい人に、見てもらいたいイメージで

 先程「チラシは目立てばいい」と言った。それは、まず目立たなければ誰にも見られないわけで、見られなければ広告する意味がない。一番大切なのは「見てもらいたい人に、見てもらいたいイメージで伝える」と言うことだ。

 マーケティングの本に「手書きのチラシが良い」と書いてあるのを読み、早速手で書くという行動力も大切だが、その行動をスピーディーに起こすためには、常日ごろから「お客さんにこのイメージで覚えてもらいたい」という方針をしっかり作っておくべきだ。

■ プロモーションは「認知→記憶→選択肢化」

 知られ、覚えられ、必要になったら「あの店へ!」と思ってもらうように組み立てる。今までの注意点をふまえて、理想的に目立てそうな広告をタウン誌・新聞等の媒体に一度だけ掲載したとする。しかし、おそらく反応は爆発的に上がるものではない。それは、まだ認知に至っていないからだ。

■ たった一度目立っても意味はない

 普通、人が広告に向き合ったとき、どう反応するか。多くの場合、こんな流れで考えるのではないだろうか。仮に広告主が「街角の携帯電話を売る店」だとする。売り込みたいものは、新製品のビデオメールが送れる携帯電話。(前提として、覚えられやすい理想的な広告をしたとする。お客さんの反応もシナリオ的にシンプルにしてある)

1.初めて見る宣伝広告に興味を持つ
 「初めて聞く店だけど、結構近いな。あのハンバーガー屋の付近か・・・」などと思いながら、内容を見る。しかし、その時既にそのお客さんの頭の中には、現在の所持金用途の「候補・優先順位」がある。そこへいきなり割り込んでいくわけだから、そう簡単には腰を上げない。お客さんは「次の予算(小遣い)で買おうかなぁ・・・」と思う。「携帯ならまあ今のがまだ使えるし」と思う。だから、店へ足を運ばない。偶然店の前を通って「あの店はここか」と思うかもしれないが。

2.1回目から2回目の広告の間に
 まだ腰の上がらないお客さんに何が起きる可能性があるだろう。例えば、飲み会に行ったら、ビデオメール携帯を持っている人がいて、話題を独占しているシーンに出くわすかもしれない。街角で楽しそうにビデオメールを撮影している同年代の人を見かけるかもしれない。事故の時、証拠写真を撮りたかったのに、手元にカメラが無かった。色んなことが「ああ、あったら便利」と思う方へシフトしていく要素になる。

3.良いタイミングで第2波広告が来る
 「あ、これこの前の店だな」と思ってもらえればしめたもの。首尾よくビデオメール携帯が「次の予算」の優先順位の何位かに入ってきたと仮定する。ここで来店というのもちょっと楽観的過ぎるが、例として話を進める。お客さんは「とりあえず値段のことも知りたいし、パンフレットをもらいに行くか」と考え、やっと来店する。(可能性がある)

■ 自社の理想的な目立ち方で定期性を保つ

 広告は「お客さんに持ってもらいたいイメージ」に定期的に触れてもらう必要がある。そして、目立ち方は一般的な目立ちの方法ではなく、競合他社が押してきたら引いてみるとか、相手が増やしたら減らしてみる方法がいい(単なる商品数の増減ではない。念のため)。その他、ライバルの悪評が立ちだしたら、世間がその業界に関心を持ち始めることを見越して、さりげなく自社のイメージアップに利用する等、目立ち方は本当に多種多様だ。

 自社の特色を知った上で目立たなければ意味がない。

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