■ プロの時代:当然
メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。
フィルム会社のコマーシャルで、デジカメで撮影した写真を「”プロに”プリントしてもらおう」と呼びかけている。理屈は「飛行機に乗るときは自分で操縦しない。だから、写真もプロに〜」というもの。このCMの失敗は説得力のなさだが「プロに頼もう」という宣伝は正しい。
が、あまりに当然のことを言っても何の効果もない。
■ とはいえ闇雲に言っても仕方がない
「プロに頼もう」という宣伝文句は色々とある。
・ 〜のエキスパート
・ 経験豊富な〜にお任せ下さい
・ 〜年の(創業〜の)実績
どれもこれもよく聞く宣伝文句。しかし、これってそろそろ定番化しすぎじゃなかろうか。定番化、つまりありきたりってこと。
■ みんなが言うなら特別じゃない
僕は「こだわり」という宣伝文句についてこのメールマガジンで何度も言っている。皆が言い過ぎて陳腐化してしまった言葉だからだ。「エキスパート」「専門家」も全く同じ。
たとえば同じ地域からだけ生徒が集まる公立学校の名簿があるとする。その生徒の電話番号のリストを想像してほしい。
058-***-****
058-***-****
058-***-****
058-***-****
:
どこまで行っても同じ市外局番が続く。「〜の専門家」なんて言葉は、この市外局番と同じだ。その次の番号だけが重要になってくる。もとより、市外局番なんて省略してしまって差し支えない。この省略すべき部分を宣伝したところで、
「オレの市外局番は058で、皆といっしょ!」
以上の意味はなく、ばかばかしいだけでなく文字がもったいない。
■ ところが
先ほどの市外局番の列で、例えばクラスメートの一人が学期中に通学可能圏内の、県外某所に引っ越したとする。すると、市外局番が突然目立つ。
058-***-****
058-***-****
052-***-****
058-***-****
:
事情を知らない人の目に止まり「なぜこの子だけ県外なの?」と不思議がる。「〜の専門家」と言ってる同業者達から一歩はずれてみるだけで目立ってくる。
■ なんか別の方法はないの?
「私は家電屋ですが、専門家ではありません」と言う人はいない。専門家であることを分からせたいのであれば、専門家である証拠を見せればいい。その見せ方は業界によって千差万別、これっ!ってのは一言では言えないが、どこが他社とちがうのか。その違いがお客さんから見て選択時の参考になることを声を大にして言えばいい。
もしも「差別化、差別化」といいながら、結局他社と代り映えしない
「こだわりのエキスパート」
なんて言葉に落ち着いて、尖らない安心感をもっているのだとすれば、
”差別化”
という言葉自体があなたの中で陳腐化しているとしか言いようがない。