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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


■ 自然発生PR

メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。

 お客さんウチに来て!と、手を変え品を変え集客活動をしている企業、商店、飲食店。PRは別に金を使わないものでも世間にはいっぱいあふれている。

 あふれているPRの中でも、う〜んと唸って出てきたアイデアより、自然にこうなったんだろうなというPRの方が面白い。この種のPRなら僕は”効果”より、面白いか面白くないかを見る。

■ 月に一度のお祭り気分

 僕は月の末日、車で30分の「千代保稲荷(おちょぼいなり)」に家族ででかける。水で手を清めて、賽銭を投げてお参りする、ただそれだけ。信仰というより、その雰囲気を味わうのが目的だ。

 ここは初詣のような人の流れに沿って歩いていく道筋に、大小4箇所程の祠があるのだが、途中どこからか若い男女の威勢のいい掛け声が聞こえてくる。少し高い石垣の上から下を覗くと、兄ちゃんが杵を振るっている。高い掛け声と共にお姉ちゃんが餅をひっくり返し、景気よく餅つきをしている。

 2間程の間口しかない小さな餅屋なのだが、つきたての餅が買える。僕くらいの年代でも、小さいころからそうは餅つきを見ることはなかった。だから、物珍しいし凄く面白い!「つきたての餅ってどんな味がするんだろう?」と、思ってしまうのは言うまでもない。

■ 看板の言葉

 地元以外の場所で腹が減った時、

 「ちょっとボリュームあるもの食いたいなぁ」

 と思っても、さてどこに入るかなぁと迷うことが多い。知らない土地で変なところに入ると「げげ、こんなに高いの?」ということや、値段はたいしたことないんだけど、料理が来てみると「げげ、こんなに少ないの?」ということになることが多く、そうなるとちょっと寂しい。

 先日見知らぬ土地で無性に腹が減った。その時、ふと見た中華料理店の看板が僕の希望にぴたっと来た!

 「ボリュームたっぷり、お金はちょっぴり」

 ベタな宣伝文句でも、これだけぴたっとこれば「おっ、ここならいけそう」と思う。味が心配になりそうな「激安中華」などと書かれるよりいい。

■ 看板の言葉2

 同じく料理店の看板。ある所を旅行中、何度となく出てくる料理店の看板があった。その下に店までの距離が書かれている。

 「あと2キロ」
 「あと1キロ」

 と、数字がだんだん減っていく。僕は別に腹が減っていなかったが、あまりに看板が多いのでいつの間にか覚えていた。ここまでならそれほど驚くことはない。店を通り過ぎてから出てきた看板には思わず”ニヤリ”とせずにはいられなかった。

 「行き過ぎました。次の信号Uターン可です」

 「来て下さい!ウチはここです!」という宣伝は多いが、「戻ってこい!」とは。これは忘れられない。(ちなみにUターン可の交差点は、法的にUターン出来る交差点が案内されていました

■ 効果を狙いすぎないのが面白い

 今日見てきた言葉やパフォーマンスにはイヤミがない。なんとなく店主のユーモアあふれる人柄や、店の雰囲気を想像させる良さがある。

 テクニックばかりを考えていると、自然に出てくる魅力を忘れがちになる。PRといっても、最終的には商売をする”人”に戻ってくるものだ。

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