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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


■ どっちの道を行きますか?

メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。

 色んな人と話していると、

 「あの会社の製品よりウチの方がずっといい!
  ・・・なのにあっちの方が知名度が高いんだよなぁ・・・」

という言葉を耳にすることが多い。ところがその原因はどこにあるのか?という下りになっていくと、声を揃えて

 「お客さんがだまされちゃってるんだよね」

 確かにそうかもしれない。しかし、それは行く道が違うだけかもしれない。

■ パイレーツ・オブ・シリコンバレー

 映画好きならちょっと古い映画「パイレーツ・オブ・シリコンバレー(バトル・オブ・シリコンバレー?)1999」をご存知だと思う。

 マイクロソフトとアップルコンピューターの壮絶な戦いを、創業者の学生時代からを描いた映画だ。アメリカのケーブルテレビで放映され、日本でも随分前に発売された。劇場公開はされていない。

■ マイクロソフト 対 アップル

 誰でもマイクロソフト(ウィンドウズ)が市場で優位を保っているのは知っている。僕自身は職業柄10年以上アップルを使っているが、ウィンドウズユーザーに開けた周辺機器市場を羨望の眼差しで見つめてきた。

 今はウィンドウズ2000も使っているが、その結果”使いやすさ”だけを考えた場合、賛否両論あるだろうが客観的に見てアップルに軍配があがる。(OSXは知りません)

 確かに複数ボタンマウスのウィンドウズは”使いやすい”、しかしヘビーユーザーである僕らには「トラブルシューティングのしやすさ」が最も大切。ユーザーの中でも大多数を占める初心者の視点で見た場合、ウィンドウズは問題が起きたら対処は難しい。そしてそのパソコンは常にウィルスの危険に晒されている。(アップルも”誰でも簡単”にトラブルシュートが出来るわけではないが、ウィルスの被害に遭う確率は低い)

 自分はパソコンに何が起きても対処出来るという方は何%いるだろう?

■ でも現実はどうか?

 アップル至上主義だと言われないためにも、僕はここで現実を冷静に見なきゃいけない。ネットでは「アップル派とウィンドウズ派」が終わりなき論争をしているが、現実的に見て地球にいるかぎりウィンドウズを使っておいた方がメリットが大きい。

 つまり、世の中「使いやすい・製品の質が良い」ことと、商売の成功は別の所にあると言える。

■ 映画に戻って

 映画の中では、アップルの仕組みを”盗んだ”若きビル・ゲイツに対して、アップルのスティーブ・ジョブスが、

 「We have better stuff! (俺達の方が良い物を持ってるんだ!)」

 と怒鳴る。ところが、それを受けてビル・ゲイツは、

 「It doesn't matter. (そんなことはどうでもいいんだ)」

 と静かに答える。それが、マイクロソフトの根底にある考え方。

■ 悪いいい方をすれば

 ビル・ゲイツにとってスティーブ・ジョブスの言葉は”負け犬の遠吠え”にしか聞こえなかっただろう。そして、その若者の戦いの結果は僕らの目の前にある。

 「良いもの」であったはずのアップルのシェアと、「どうでもいい」ウィンドウズのシェアは比較にならない。市場の優位性を持つものが、弱い者を駆逐していく。負ける方は、「ウチの方が良いものを持ってるのに、お客さんはだまされている」と嘆く。

 これはどの業界にも同じ。問題はどう上手く立ち回るかにかかっている。「質は悪いが宣伝広告力がある」敵とどう戦うか?遠吠えをするばかりでは何にもならない。

 とはいえ”良いもの”で勝てれば、それが最高なのは言うまでもない!

 この映画を知らなかった方、これは観て絶対損はない。映画ってのは、少し寝かせて話題性が無くなったときに見るのが一番良い、のが僕の考え方。

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