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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


■ 営業ツールDIY

メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。

 いまや「パソコンが手軽に使えるようになった」などという表現も笑いを誘うほどパソコンを使えることが普通になった。当然のようにパソコンを使って、以前は外注していたものを自作出来るようになった。ワード等の文書作成ソフトでもある程度の見栄えのするものが出来るし、カラープリンターを使えば刷り上がりもキレイだ。動きの速い世間の流れにも自作業なら経費もかからず、対応も早い。

 費用のかかる印刷物は会社案内や折込チラシ、パンフレット、カタログといった、高品質でなければ信頼が得られないような場合に活用され、普段の営業ツール等は自作でという企業も多い。もちろん費用的にも優しい。

 今回はそうしたDIYで済ませるレベルの営業ツール作成時のポイントについてのアドバイスをしたい。

■ よくあるミス

 素人の方々が作成する文書に見られる決定的なミスには共通点がある。

 ・ 色が多い
 ・ フォントがイメージと異なる
 ・ 聞いたことあるセリフが頻発される

 これらの問題は、自社の特徴をどうアピールすればいいのか?という意識の前に「見栄えの良い文書を作らなきゃ」という意識が邪魔をしていることが原因であることが多い。”見栄え”の定義も的外れになっていて、結果的に見栄えの悪い文書が完成する。本末転倒。

 しかし、先にあげた3点を見直すことで、かなり良いものが作れるようになる。

■ 色が多い

 プリンターの性能がよくなるにつれ、文書の出来上がりは、より汚く、より焦点のはっきりしないものになってしまう傾向がある。

 それは、

 「文書を見栄え良くするために、イラストを入れちゃえ!」
 「ここは重要だから、文字の色を変えておこう」
 「ここも重要だから、文字の色をさきとは別色に変えておこう」
 「ここはもっと重要だから、文字のサイズも変えておこう」
 「写真もあったほうがいいな」
 「文字を立体にして強調しよう!」
 「ある機能は全部使わなきゃ!」

 こうして出来上がる文書は、ごちゃごちゃで統一感がなく、焦点がボケて、どこを見ればいいのか分からなくなってしまう。高性能プリンターが泣く。

 色を沢山使ったり、様々な要素(形・大きさ・字体等)を混在させるということは、熟練したプロにとっても簡単なことではない。慣れない人は”色が何でも使える”難しさをあまり理解していない。

 そんなときの解決策は、まず白黒で作ってみること。白黒で作ると何をどうやって目立たせるか、カラー以上にアタマを使うことになる。

■ フォントがイメージと異なる

 フォント(字体)も一つの文書に多種混在させるととてもみっともない。雑誌等を観察すれば分かるが、見出しの字体と、本文の字体、コピーの字体等、明確な目的を持って使い分けられている。字体は2種類くらいが1番扱いやすい。味付けに3種類目を少しつかうくらいの方が画面は落ち着く。

 また、フォントを単なる”字”だと思って使わないことだ。フォントは言葉以上にイメージを相手に伝える事が出来る。

 ポップな雰囲気なのか、堅実な雰囲気なのか、怖がらせたいのか、笑わせたいのか。まず伝えたいイメージがあって、次にそれに合ったフォントを選ぶ必要がある。シャープなイメージの製品にポップなフォントを一つ使うだけで急にその製品そのものが安っぽい印象になってしまったりするくらいだ。

 ただし、プロが使うフォントは1字体数千円から数万円もするものもあるため、それが仕上がりの違いに影響を及ぼしていることは知っておこう。多くの場合はフリーフォントやパソコン既存のフォントを使うことになるだろうが、その場合でも雰囲気を大切にしてもらいたい。

■ 聞いたことがあるセリフが頻発する

 より良くしようと考えれば考える程、実は言葉はすごく難しいことが分かる。すると、聞いたことあるセリフにアレンジをして逃げてしまう人が出てくる。

 特にTVCM等で有名になった言葉や、

 「あなたの未来のために・・・」
 「あなたの夢が、今、叶う・・・」

 という「・・・」で終わる、空を見上げながら気だるい溜め息混じりでつぶやいたような気持ちの悪いコピーが出てきたりする。プロでもこんなコピーを使う人がいるが、こんな鳥肌がたちそうなコピーを使うくらいなら、単刀直入に飾り気のない言葉を使うほうが好感度は高くなる。

■ シンプルにしよう!

 簡単にいうとここに収まる。

 だれでも「シンプル イズ ベスト」という言葉を使う。不思議なことに、営業ツール等を作る場合、シンプルだと不安を感じる人の方が多いようだ。

 もう一つ挿し絵を入れて明るい雰囲気に。
 ちょっと文字が大きいほうがいいかな?
 もう少し賑やかじゃないと目を引かないのでは?

 そんな無駄な不安を払拭出来ない人が、見る気が失せるような極彩色の文書を作っていく。

 今後、自分でデザインをしなければならない機会は増える一方。そんなときは、様々な”無駄な不安”を断ち切ってシンプルなものを作ってほしい。また、何でもかんでも自分でやろうとせず、本当に大切なものは外注することも、時には選択肢として必要になってくる。

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