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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


■ 取扱注意!”人のモノ”

メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。

 まず、皆さんこの問題にどう応えるだろうか?(YES/NO)

問題1
「小さな企業なら、有名アニメキャラを看板に使っても見逃してもらえる」

問題2
「取り扱っている商品なら、製造元の画像の使用は自由」

問題3
「ある漫画の大ファンだから、店の名前を漫画の登場人物等にちなんで命名しても、”ファンの証”になるから作者は喜んでくれるはず」

問題4
「金もうけしなければ、著作物のコピーは許される」

■ 問題1の答え 「NO (駄目です)」

 冗談ではなく、内外の有名なコミックのキャラクターを看板に使っている会社がある。ベタの複製ではなくて、若干の”変形”を伴っている場合もあるが、これは厳密に言うと許されない。

 例えば、おもちゃ屋さんの場合。「おもちゃ屋さんだから、子供が喜びそうな絵を」と思って、漫画のキャラクターを看板に描かせる気持ちは分かるが、小さい企業だからといって世界中でこれをやりだしたら、著作権者の被る損害は大きい。

 最近流行の移動パン屋さんが、自社ロゴに、ある有名パン製品アニメキャラクターのシルエットを使っている。同業他社ではトラックにそのキャラクターを堂々と大きく描いている。許可取得の上使っているのかどうかは不明なのだが、もし無許可での使用であれば、この企業とFC契約を結ぶのは僕なら避ける。なぜなら、会社が大きくなれば必ず訴えられるからだ。

■ 問題2の答え 「NO (駄目です)」

 例えば、自分の会社で有名企業の人気ゲームを取り扱っているとする。すると、『売上げに貢献してあげるんだからいいじゃん』とばかり、そのパッケージから切り抜いた絵を拡大したり、大きく書き直したりすることがある。

 複雑な例では、一つの製品としてまとまっているものでも、”取扱説明書”は別会社の管理する著作物だという場合もある。だから『この製品の取扱説明書だから』と好き勝手に使っていると痛い目を見ることもある。

 これは、著作権者等との契約内容によっても変わってくるが、”使っても良い”と明文化されていないかぎりしてはいけないこと。

■ 問題3の答え 「NO (駄目です)」

 僕の近所にもあるのだが、喫茶店名が有名な漫画で美人姉妹の経営する店と同一で、ロゴまで同じというところがある。

 この店主が悪気があってやってるとか、商売気が人一倍強いとは思わない。たまに勘違いされるのは、ある漫画等を熱狂的に好いている人が、その漫画へのある意味での”敬意”の表現として、こういうことをしてしまうことだ。

 当人は、ロイヤルな読者として、その漫画の世界に純粋に浸っているうちにこういうことをしてしまったのだろうが、これは許可なくすべきことではない。

■ 問題4の答え 「NO (駄目です)」

 たとえば、問題3の店主が、その漫画がとても好きで、多くの人に読んでもらいたくて、コピーして無償で配付したとする。これは、お金を受け取っていないから問題ないように見えるのだが、重大な違反にあたる。

 本来ならばこの店主は漫画を複数冊購入し、それを無償で配付する必要がある。作者に対しての好意が根底にあるからと言って許されることではない。

■ これくらいはいいだろう、は通用しない

 インターネットで日本中に情報を発信している今の時代、商標の使用や肖像権、著作権等に向けられる目は厳しい。

 僕の知る中小企業でも突然『当社の商標を無断使用している』と警告を受け、調べてみると一般的に使われている言葉なのに”商標登録”されていたために使用出来なくなったことがある。結果、商品にその文字を使うことが出来ないために、印刷してあったパッケージが使用出来なくなった。

 以前は曖昧に通用していた「これくらいならいいだろう」「ウチみたいな零細企業のやることに目くじらたてる大企業もないだろう」「こんな片田舎まで監視の目が届くはずがない」という甘えが通用しなくなってきている。

 今著作権を侵害している事実があるとしたら、即改善しないと近い将来突然に訴えられる確率は非常に高くなっていると断言できる。これが企業でなくて、仮にNPOや慈善団体であっても全く関係ない。

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