価格の根拠をしっかりと説明すれば、高いも安いもどちらも悪くない。

家の価格は

坪単価で語るもの

という当然のような文化があるにもかかわらず、この坪単価の全国共通の表示方法がないことが工務店にとっては悩みになっています。

当社も、工務店にいらしたお客さまが単純に他社と坪単価を比較して、その仕様も素材も検討せず、「あなたの会社は高すぎませんか?他社はこうでしたよ?」と値引きを迫ったり、暴利を貪っているかのような批判をされたという例を数多く伺ってきました。

しかも、それをレビューサイトに書いてしまう。
立派な名誉毀損なのに、工務店側は為す術もない。

こんな被害を防ぐ方法は無いものでしょうか?

その方法の一つは

御社の価格の根拠を示すことです。

価格の根拠、といっても坪単価の計算方法を事細かに書かなければならない、という意味ではありません。

これだけ長い間、正しい坪単価の比較方法説明を試みてきたのに、未だにこの問題自体が消えていかないのは、お客さまが計算方法そのものに興味がない、または説明されてもよく分からないからです。説明を聞いているうちにどうでも良くなってしまう。

お客さま自身も、あまたある坪単価説明を熟読して研究した末に、本当に正しい比較をしたいわけではなく、自分が信じたいことを信じているだけの状態に陥ってしまうのです。また、「家をつくるんだ!」と脳が興奮状態にあって、都合の良いことしか耳に入らない心理状態にもなります。

そもそも、法律で規定されているわけでもない以上、どこにも正解がないわけで、最悪の場合、契約したあとでよく考えてみたら同じだった(むしろ高かった)なんてこともありますし。

価格の根拠とは、例えば

素材の良さを売りにするのであれば、製造コストがかかっているはずです。他の同種の材料と比較をしてどれほど手間がかかっているのかを丁寧に説明する。次の動画は当社で制作したもので、ドアノブが芸術品のように作られていく様子をショートドキュメンタリーにして表現しました。

既製品を使えば安くなるところを、オリジナル部材を使っているため価格が少し高くなるのであれば、既製品とオリジナル部材をモデルハウスなどの同じ部屋に取り付けてみてその雰囲気の違いを動画や写真で見てもらう、またはモデルハウス内に「既製品の部屋」を作ってその場で比較してもらう。

こういった努力のことです。

一つずつ考えていくと実は、価格が安いことの方が説明は難しい気がしてきませんか?

例えば、価格の安さが物流の仕組みの違いで出てくるのだとすれば、説明は小難しくなりがちです。動画や図表で説明するとしたら相当な工夫が必要です。

仮に、材料そのものがランクを下げたものだったとしたら、なぜその上のランクの材料を必要としないと考え、この素材を使うことにたどり着いたのかを説明する。「オーバースペックは無駄だから」というだけでなく、その根拠を示すと良いです“劣った材料”と受け取られないよう、説明の工夫が必要です。

高い、安い、どちらのタイプの家も、その価格の根拠をしっかりと示せば、

「100年もつ家がいい」
「すこしでも健康に暮らしたい」
「自分が生きてる間住めればいい」
「年取ったら建て替えたいから、安くて30年もてばいい」

など、様々な価値観のお客さまの中から御社の価値観とのバランスが取れたお客さまと出会うことができるはずです。

御社の信ずる価値観をホームページ・印刷・動画、あらゆる方法を使って伝える努力をしてください。