代替わり・業態転換・新規参入・イメージチェンジで施行例不足に困った時は?

工務店も長く営業していると次の代が育ってきたり、公共事業主体から個人住宅主体に業態転換する、独立で新規参入、これまでのローコスト路線から高品質路線へ、またはその逆のイメージチェンジなどで、これまでの実績がイメージダウンになってしまうことがあります。

例えば、先代は伝統的な家づくりをしてきた、別の言葉で言えば「よくある家を作っていた」というケース。新経営者が会社を継ぎ、若い世代にアピールしていきたい時。

これまでローコスト路線で来た会社が徐々に世間に認知されてきて、個性的なお客さまが増えてきた。ローコストイメージから脱却して高品質路線に行きたいが、まだその施工例がなく以前の写真を掲載していると、ローコストイメージが維持されてしまう。

こんなとき、一番最初に考えるのはフランチャイズなどに加盟して、その施工例を流用することです。これは手段として悪くないと思います。建てる機会があれば建てられるわけですし、きっと「もっとかっこよく建てることだってできる」と感じている方もいるはずです。

ですが、加盟金や社内への周知、訓練・教育に時間もお金もかかる。

その費用を費やしても、中小零細企業では折角育てた社員が退社してしまったり、これまでと仕事のやり方が変わることでストレスを感じて士気が下がってしまうなどのデメリットもあります。誰でも変化に対応するのは大変ですから。

そんな時、一つの手段として取り入れていただきたいのは、

夢を語ること

です。
社長が「クルーザーがほしい」とか、そんなことじゃありませんよ。

当社が作りたい家はこんな家です!

という具体的なイメージを語り尽くすのです。
ですが、目で見られるものも絶対に必要です。
パース画などを自社が目指す雰囲気で作ってください。

よくある3Dソフトで自動的に出てくるようなものでは安っぽいですし、お客さまの方ももう知ってます。「あ、実績無さそうなだな」とすぐにわかります。

できれば手描き。
それが難しければ手描き風。
3Dなら鬼気迫るほどリアルに。

そうしたビジュアルエイドを踏まえながらホームページ全体に統一した雰囲気を持たせてください。

語る夢はなんでもいいんです。

ここでは少々ふざけた、というかインパクト狙いの例を書いてみます。社内で案出しをするときには、これくら突拍子もないことも言える雰囲気を作ってください。

「1億円の家のようなでっかいリビングなのに、個室は寝るだけだから超狭い家」
「週末のことしか考えていない家」
「食事時間を高級レストランみたいに過ごすことしか考えていない家」
「ケンカした時、みんなそれぞれ逃げ込む部屋がある家」
「友達なんか来ないから、自分たちの趣味がリビングに出しっぱなしの家」
「リビングで武道の稽古ができる家」

その他、あなたが「家庭に求めている文化」をそのまま書く。

「自宅でハムが作れる家」(漆喰の部屋なら可能ですよね)
「寸胴鍋が使えるキッチン」(料理マニアでしょうか)
「リビングが水洗いできる家」(バイク整備してる方にある)
「どこにでもハンモックが吊れる家」(最近は吹き抜けに吊ってる写真を見かけます)
「マーシャルスタックアンプが割れるほど鳴らせる家」(ギタリスト向けのこんなの

それから、エコロジーに関しても語れますね。

「地熱利用」
「風力利用」
「屋根緑化」

夢だからなんでも語れてしまいます。
奇をてらうだけでは、会社のイメージを著しく損なってしまいますから、そこはあなたが目指したい方向からズレすぎないように、でも、お客さまが

「この人ならすっごく自分の好みを分かってくれそう!!」

という印象、無理かもしれないけど話してみたいと思ってもらえるようなイメージ作りをしてください。
実績がないからやってると思われないよう、あなたが心底楽しんでいる感じを伝えてください。