どこの地域にもあるんじゃないでしょうか?
本家 vs 本元
本家 vs 元祖
本店 vs 元祖
こんな対決が。
とんかつ屋さんとか、ラーメン屋さんなどのお店でよく見ますよね。
先代のやり方が気に入らなくて、代替わりと同時に暖簾分けではなく、物別れで新たな血統を創造しようという試み。または、親方とケンカ別れした弟子が“商標登録”の知識を武器に店名を奪ってしまい・・・などというストーリーがあるのはわかりますが、客側から見ると
どうでもいい話
です。一部のマニアだけが、
「あっちが本物、こっちが偽物」
「あっちの味はダメ、こっちの味が上」
というウンチクのネタにするだけで、多くの人は近い方とか馴染みの方へいくだけです。
これが住宅業界とどう関係があるのか?
木造住宅を主に作っている会社のホームページには、
本物木造住宅
本格木造住宅
天然木造住宅
自然木造住宅
など、色々な言葉が出てきます。
でも、正直に言ってそれを読む素人にとっては、最初の二文字ってどうでもいいんです。
木造住宅
それが知りたい。
本物木造住宅、と書かれた工務店だって、打ち合わせの末にお客さまが
「集成材がいいんですけど・・・」
といい出したら、
「他へ行ってくれ!」
って言いませんよね。「ツーバイフォーだってできます」と対応してくれるかもしれません。だとしたら、「何々木造住宅」の「何々」部分って物事を難しくしているだけのような気がします。
なんだかその言葉が出来てきた経緯も見えてきます。
集成材を使用した会社が「木造住宅」と宣伝する。それを見ていて無垢材の会社はあまりいい気がしなかった。そこで、集成材を偽物やまがい物と定義して、それに対抗するため、
「本格木造住宅」
「本物木造住宅」
と言い始めた。すると、今度は「本物」という会社が近所に出てきてかぶってしまうので、「本格」(またはその逆)と呼び始めたのかもしれません。
でもこのままいくと、ドンドンと新しい言葉を引っ張り出してきて、「リアル木造」「真の木造」なんてやりだしてしまったら、
ただただひたすら分かりにくい!!
お客さま不在の “存在しない問題” は、こんな風に競合他社との差別化を図ろうとする中で発生するようです。
置き去りにされているのは、一番アピールしなければならないお客さまです。本物木造と、本格木造って何が違うんだろう。リアル木造は何と比較してるんだろう。どんな悩み、疑問が出てくるかは分かりません。
だとしたら、シンプルに戻してしまったほうが分かりやすくなるのではないでしょうか。
「当社は無垢材のみを使用した木造住宅を作る会社です」
「当社は木造住宅を作る会社です。無垢材・集成材など取り揃え、ショールームにて比較していただけます」
と、ありのままの言葉で説明するほうが、お客さまを混乱させません。
一度、御社のホームページをすべて見直し、
お客さま不在で、いつの間にか分かりにくくなっている言葉
がないか、調べて改良できないか検討してみてはいかがでしょう。