工務店ホームページの完成写真を見ていると、これでいいのかな?と思うことがとても多いです。御社の完成写真を見て、次の質問をしてみてください。
完成写真は誰に見せるものでしょうか?
施主さま・・・は見せたい相手の一人ですね。
経営者・・・ではありません。
あまりにも当たり前の相手が答えです。
答えは、見込み客です。
会議では、
「自社のターゲット顧客はどんな人間か?」
を難しい顔をして分析しているのに、施工例ではそこを無視している会社、本当に多いです。
例えば、施主さまがヨーロッパの超高級外車に乗っている場合。
いつもよりスケールの大きい豪邸を建ててくれた施主さまだった場合。
もう二度と作りたくないような、個性的な家。
「これ施工例に入れときゃ、見栄えがするじゃん!」
「ウチ、すごい会社に見える」
「建築家の作品みたいだな!」
と思うかもしれません。
でも、御社のターゲットは2000万円超えの車を買える人ですか?
規格外の大きさの家を建てる方を対象にしていますか?
「いいえ」であれば、その車、その豪邸を見せることで仮に御社のドンピシャのターゲットであるお客さまは、
「ウチは門前払いされるのでは・・・」
と心配します。
相当な勇気を出して問い合わせをしてくる人以外は別の会社に行ってしまうかもしれません。実際に当社がインタビューした方から、
「ウチなんて相手にされない、迷惑になってしまうかと思っていた」
という言葉を聞きました。
どうですか?
ひょっとして、たまたま作ることが出来た「すごい家」をメイン画像に据えていませんか?
施工例では「来て欲しいお客さま」を明確にする
将来的にはスケールの大きな家を建てたいと思っているとしても、現在の自社ターゲット層にしっかりとアピールしてください。
子育て世代にアピールしたいなら、格好いいバイクを置くだけより、その横に赤ちゃん用の三輪車も置いてみる。
そうすれば、趣味のバイクも子育ても楽しくやってる家庭に見えます。
そのバイクも、超高級車なのか、クラシックなのか、国産の人気車種なのか判断する。施主さまのバイクをそのまま使っても良いかどうか。
とかく施工例は「完璧を目指す」ものだと考えがちですが、もはや格好いいだけの施工例写真に慣れきってしまっているお客さまの目をひくのは至難の業です。
ちょっとした隙、生活感などを写真に入れ込むことで、御社ターゲット客の親近感が高まります。
写真を撮影するとき、「あれをどかして、これをどかして」と何もかも隠してしまう必要はありません。
当社でも、入居後数年のお宅にインタビューに伺い、外観写真に干された布団そのまま写真を撮影したことがあります。お子様がおもちゃで盛大につけた傷や、落書き、毎日廊下の角を曲がる度に触る壁が黒ずんでいるところなどもそのまま撮影しました。
「当社はこういう家庭、こういう人たちに家を建てたい!」
それを伝えるのが、施工例写真の目的です。