現家づくり世代の集客は、客観的で真正面からの正攻法が受け入れられます。

スマートフォンやネットが当たり前すぎる世代が、家づくりを考える年齢になって工務店のネット事情が大きく変わってきました。「消費をしない世代」とも呼ばれる、今、家づくりを考え始めている年齢層の世代的な分類は、次のように定義されているようです。

2010年台初頭には、ネットはPCで見るものと決まっていました。
既にiPhoneは発売されていましたが、それでもホームページ開設側が「まだまだPCで」とスマホに追随していかなかったためです。その後、iPad や大画面スマホが出てくるようになり、今はスマホに対応していないサイトの問い合わせが減っているという逆転の時期に入っています。

このPC至上の時代にも、日常的に携帯を使ってきた世代はネット上の情報にずっと晒され続けてきて、いろいろな悪の手口(?)を見てきています。

言葉巧みにサイトへ誘導して、詐欺行為をはたらく悪い奴らがいることも知っていますし、なにより多感な思春期、2ちゃんねるなどに日常的に触れてきた人も少なくありません。『ゆとり世代』と呼ばれる世代であっても、ことメディアリテラシーに関して言えばかなり鋭い感覚を持っています。

ある大学に呼んでいただき映像制作指導を行ったとき、接した学生たちからは私たちが学生だった頃の浮ついた感じより、どこか冷静で堅実な印象を受けました。

映像制作に一生懸命取り組ませようと、こちらが情熱的に迫ると弾かれるだろうな、という印象がありました。もともと私は押しの強い方ではありませんので、自分の得意なスタイルで、

「みんなはどうしたい?このシーンでは何を表現したい?」

という相手本位の立場から関わっていくことにしました。
すると、実はみんな自分の希望をしっかりと持っていて、一生懸命に表現したがっていることがわかりました。

これからの世代が嫌うのは、こんな呼びかけ

これからの家づくり世代は、とにかく

操られてる感が嫌い

です。そのため宣伝文句に凝ってみたり、感情を操作するような情感的な言葉を入れると一気に引かれてしまいます。一昔流行った

「何々はまだ買うな」
「無料レポート進呈」

というような、何か裏があることが最初からわかっているアプローチも否定されます。集客イベントも、“餌”的な臭いがあるとやはり操られている感を敏感に感じ取ります。プレゼントにもなびきません。

できるだけ真正面からの正攻法で、御社の家づくりの意図を客観的に表現するだけの方が受け入れられやすい。例えば、ミニマリストの家のオープンハウスだとしたら、

ミニマリストの家 完成内覧会開催
飾りがいらない家
家具を買わなくてもいい家
すっきりと何もない家
がらんとした家です。

こんな、どこにも「操ってやろう」という感じがない、そのまんまの言葉の方が伝わります。
でも、ちょっと心配になってくるのは、

「これ、全部の会社がこんなシンプルにしてたら目立たないじゃない?」

ということ。昔の広告は目立ってナンボでしたから。
これからは目立つよりも、

「今日はいくつか内覧会に行ってみようかな」

というリストの中に入れてもらえるかどうかです。
逆に言えば、新世代はよく知らない会社を見た目だけで共感したり嫌ったりという先入観や偏見がない、非常にオープンなお客様とも言えます。