「ZEH」が良いかどうかよりも、妙な前提が我が物顔で独り歩きしていることに警戒。

「ZEH」何度聞いてもわかりません。(^_^;)

「ZEH」の補助金を受けるために業者が登録制になって、登録されていない業者で建てても補助金を受け取ることができない。だから、補助金を受けるために多少高くても補助金との差額でどこで建てるか決めているお客様が増えているとか・・・。でも、その補助金も金額だけを見る限り年々ガクンと少なくなってきて、「わっ!」と話題になった割に力入ってるのか入ってないのか、良いのか悪いのか???

なんだか意味がわからないんですよね。

このZEHについて調べていると、いつもアタマが混乱してイヤになってしまいます。

工務店のホームページを見ていると、

「ZEHビルダーになるのに苦労した~!」

ということは書かれているけど、いまいちそれが家を建てる側からした時にどんなメリットがあるのかイメージできる説明がありません。そして、最新情報での「登録されました」という報告の後は、「実績の報告」が並びます。お付き合いのある工務店の関係者とお話していても、

「ウチはやるつもりないよ」

という意見も聞きます。
消費者置き去りの横文字政策です。

ZEHという、なんだか“先進的な感じの言葉”のイメージだけが先行して、実が置き去りにされています。

工務店として非常に怖いのは

ZEHが良いか悪いか、登録したらどう宣伝していくか、ということより問題なのは、ネットで調べる限り

ZEH = ちゃんとしたメーカー
工務店 = ZEHに対応していない

だ・か・ら、大手を選択肢に入れ“なければならない”。

と読み取れる三段論法が検索の上の方にいくつも出てきます。
しかも、この言葉は家を建てた経験者の話。

言ってみれば、クチコミ です。

中には具体的なハウスメーカー名まで出してレビューを書いている人もいる。
お客様の側から、ZEHありきのようなレビューがたくさん出てきていることで、対応していない会社が悪く見えてしまう。

でも、こんな風潮の中で、あえて自分の会社はZEHをやらないというのであれば、逆に言えばそこは

工務店としての強い意志と、家づくりの考え方のアピール

が出来る場所です。
どんな打ち出し方にするかは会社それぞれですが、

「現状を見る限り、こんな問題がある。当社としては、この部分が~のように改善されれば喜んで登録ビルダーになるが、今は見送り。
でも、建てている家に自信をもっている」

と、はっきりと立場を表明しておく必要があると思います。

お客様の「家づくりに妥協しない」という言葉

お客様はこんな言葉をよく口にします。

「一生に一度の家づくりだから、妥協したくない」

しかしこの言葉は、デザインや間取りについてだけではないんです。

工務店で自分オリジナルの個性的な家を建てたかったけど、ZEH補助金のために住宅メーカーを選んだ。

これは一見妥協と見えますが、実際は個性と実利を天秤にかけて実利を賢く選ぶことで「妥協をしなかった」という捉え方にもなります。確かに、個性的な住宅ではなくなったが、

より安心な(?)大きな会社で家を建てたんだから良い選択

なのです。
「スマートハウス」だ「ZEH」だと次々と目玉が出てくる住宅業界ですが、それぞれの仕様が良いか悪いか?はどうでもよく、

声の大きい方の前提が我が物顔で独り歩きを始める

これは避けられません。
しかも、かならずその声の大きさに同調するお客様がいて、そのお客様が発信力を持てるのが今の世の中です。

ですから、御社にとっては取るに足らないような変化でも、相手の声が大きい場合は1つずつ御社の見解を明確に示すようにしてください。

これはチャンス!と、御社の家づくりに対しての信念を上手く表現していただきたいと思います。