実際にどうなるのか?を目で見て確かめる展示で、ありきたりを差別化する。

ネット動画で人気があるのは、

「やってみた」

という動画です。

うまい棒というお菓子を大量に食べてみるとか、誰も買わないような商品を買ってみるなど、はちゃめちゃなことを皆さんやってます。

この例は、お笑い要素でアクセスを稼ぐ目的で企業としては参考にならないですが、動画に限らず、自分で試しにくいこと、または実験に時間がかかるものなど、普段なかなか目で見ることができないことを代わりにやってくれる、というところに人は反応しやすい傾向があります。真面目な内容で

「やってみた」

ということであれば、工務店のモデルハウスなどで既にそんな展示物って結構あります。

ある工務店では、自社仕様の断熱材などを使った小さな箱を使って、湿気が取れていく様子を目の当たりにできる仕掛けを使っていました。自社の天然素材を使った仕様と樹脂を使ったローコスト住宅の内装で作った小さな箱の中にお湯の入ったコップを入れ、温かいお湯から出てくる湯気が消えていく様をつぶさに見ることができます。湿気をコントロール出来る様子が分かるので、

「当社の家は梅雨時でも爽やかです」

と言葉だけで説明されるより伝わります。

大手のハウスメーカーでは、自社の外壁性能を見せるために熱を持ちやすいハロゲン灯を片面に当て続け、逆側(内装)に熱が伝わらないことを体感できる展示物がありました。

ただ、これらは“仕様”を説明したもので、同じような展示をする会社が多くなっているという事実もあります。

差別化できなくなってきているので、そろそろ別の方法を考えていきたいところです。

“生活”の実際を見せる

家づくりといえば“収納”です。

「収納力ばつぐん!」

という説明は聞きますが、どのくらい抜群なのかを実際に見せてみてはどうでしょうか。

一般的な家族4人の家庭。
お皿は何枚くらい持っているでしょうか?
クックウェアはどのくらい持っているでしょうか?
缶詰などのストックはどのくらいあるのでしょうか?

そういったことをできるだけ詳しく調べて、収納すべきものを用意する。
それを実際にモデルハウスに収めてしまう。
もちろん、すべてを本物で揃えるのが視覚的には面白いですが、キッチン家電などはちょっとお金がかかりすぎます。できるだけ費用をかけたくないということであれば、同サイズに作った箱に代用しても良いと思います。箱に名前を書いて、

「ジューサーミキサー」
「ホットプレート」

として収納しておく。
ご来場者向けパンフレットなどに、キッチンに置かれている食器や家電を単純に枚数や個数をかくのではなく、子供の“ステッカーブック”のようにずらずらと並べる。1ページを丸々使っても面白いです。

できるだけ各アイテムの縮尺を合わせて、規則正しく配置してください。そうすると、お客様がご自分の家庭と比較しやすくなります。

箱で代用するメリットもある。

先ほど費用削減のために、家電など本物の準備にお金がかかりすぎる場合は箱で代用しても良いと書きましたが、実は、箱で代用するメリットもあります。
箱で代用すればとても軽いので、お客様が来場したときはすべて収納された状態にしておき、

「実は、棚の中にはこれだけのものが入っているんです」

と、1つずつテーブルの上に取り出しずらっと並べてしまう。
おそらく、半分も出せばうんざりするほどの“物”が収納できていることをアピール出来るはずです。

最近はオリジナルキッチンを提供されている工務店も多いですが、既製品を採用している場合他社との差別化が図りにくいです。

そんな時には、視覚的な分かりやすいアピールと、小道具を用意して伝えようという姿は記憶に残りやすいはずです。

これはキッチンの例ですが、なにか伝えたいことがある時は、

「実際にどうなるのか?」

を目で見て確かめることができることをイベント化してみてはいかがでしょうか。