会社の個性を極めて「辿り着いた感」のあるホームページは、一朝一夕にはなりません。

全国の工務店ホームページを見ていて、本当に時々

「この辿り着いた感、すごい!」

と思う会社があります。
(2017年7月現在、ここで紹介する許可を得られていませんが、メールをいただければ非公認ですがお教えします)

辿り着いた(たどりついた)感とは?

ホームページ制作会社のデザインセンスがアップしているため、この頃はホームページのデザインで差別化を図ることは難しいです。

どこもおしゃれ
どこも洗練されている

つまり、どこも一緒。

その中で、際立つ個性を持つホームページがあるのです。
それは、ホームページ制作会社が

「社長、こんな感じにしたほうが良いですよ」

と提案してきたことを「ほいほい」と聞いているだけでは絶対に出ない。何年も試行錯誤して、

「ウチはこれだ!」

という悟りに近いところまで上り詰めたホームページ。
それが、

辿り着いた感のあるホームページ

沢山の失敗を乗り越えてきたんだろうな、という印象が迫力というか本物を感じさせます。

例を一つ出しますと、「都会に住みながら、素朴な田舎暮らしに憧れる人」を対象にした家づくりをされている会社がありました。
トップページから、農家の若者一家のような雰囲気のある写真で出迎えられ、休日は子どもたちと汗を流して庭で野菜を作っている写真。
古いクルマをガレージの前で油まみれになって整備している写真。
そういった、“古き良き” という言葉で表現したくなるような写真が並びます。
もちろんホームページの色味もそれによく似合ったもので、とてもオシャレです。

ナチュラル志向のお客様対象に、「オシャレ感」のある家づくりをして、ホームページもオシャレにしている会社は山ほどありますが、そのライフスタイルにぐぐっと迫っている会社は少ないです。

だから、尖ったところがない。
この会社のホームページは、家族のつながりや素朴さ、おしゃれという言葉をわざわざ出してくる必要のないほどグッとくるものでした。

でも、相当な試行錯誤を繰り返してこなければ、ここまで思い切った打ち出し方は出来ないと思います。また、“企画”的に打ち出しても信念が感じられなければ、

「なんか嘘っぽい」

と敬遠されます。
ただ真似するだけではダメなんです。

例えばどんな企画がダメなのか

「知って、なっ得!家づくりの知識」
「コバタ社長の、家づくりの“こばった(困った)”に答えます」
ちょっとふざけた感じの社員の写真をデザインポイントに使う

などの昔にTVで流行したコーナーの真似タイトルを冠したコラムを、様々な業界でよく見かけます。

会社や社長の気さくさを打ち出して、親近感を持ってもらおうという意図でも、ほとんどが良くて数回、中にはタイトルページだけで企画倒れのままホームページに残っていることもあります。

これは、思いつきでやってるな・・・

という雰囲気が伝わってきます。
そんな会社は、やはり次回のホームページリニューアルでは雰囲気や企画そのものを総入れ替えしてしまいます。

これは、試行錯誤とはいいません。

試行錯誤の後に、思い切った打ち出し方ができる

宣伝広告は出稿する度に、上手くいったこと、意図した通りにいかなかったところ、などを反省して次回はどうするか?を考えていく必要があります。

外部の者が、ポッと来て、魔法のようにチャチャッと広告を作って、ドカンとお客様がやってくるということは現実的ではなく、社長とスタッフ自らが制作会社と組んで、

こんなことをやってみよう!

と立案して、さらに制作会社が表現方法を練る。
その上で実践して、上手くいったことはもう一度やってみる。
また上手くいったら、それは固定的に使ってみる。
その横で、別の企画も立てて実践してみる。

そうしているうちに、その会社らしさが確立されていきます。

もうデザインのオシャレさで競える時代は終わりました。
オシャレは初期設定です。
これからは、会社の信念の確立と、それに見合った表現方法と、その特色が定着するまでの忍耐強さが必要です。

奇をてらうのではなく、ごくごく真面目に。
始めた企画は、確実に続けて宙ぶらりんにしない。(止める時はスパッとやめる)
他社が“面白い路線”に傾いて話題になったら、「じゃ、ウチも」という安易さではいけない。

そうして、尖った会社、ターゲット層が「おっ」と振り向くホームページや御社らしいと言われる宣伝広告が出来ていきます。