「おしゃれな家」は今や競争優位の条件ではなくなりました。

4000社超の工務店のホームページを見てきてわかったことは、工務店ホームページの良し悪しは施工例写真(特にトップページで使われるレベルのもの)と、工務店とOB施主さまとのつながりの見せ方で決まるようです。つながり方については、このあとで詳しく説明します。

全ては御社の建てている家の魅力(素材)で決まるのです。
私たちデザイナーの仕事は調味料程度。

少し前までは地域で一番デザインセンスの良い会社、という存在がありました。でも、今や経営者の代がわりや若手経営者の新規参入で、みなさんとてもセンスが良くなっています。デザインは競争優位に立つ条件ではなく、競技会へのエントリー条件となっているといえるのではないでしょうか。

お客さまの側も、

「今時、格好いい家はどこの会社でも作ることができる。仮に施工例がパッとしなくても、それはその家の施主が何らかの事情があって選んだこと。見せるためのモデルハウスを作っているわけではないのだから仕方がない。自分の家をつくる時妥協しなければいいんだ」

という裏事情にも通じています。これは工務店側には助かります。派手な家ばかりつくるわけではないし、自社の宣伝になるように工務店側の望みどおりの家を建てるではなく、あくまでも主役は施主さまなのですから。裏事情を理解してくださるお客さまが増えるのはとても安心です。

では、どこで差をつければ良いのでしょうか?

ここで出てくるのが、冒頭で詳しく説明することをお約束した「工務店とOB施主さまとのつながりの見せ方」です。

OB施主さまと長期に渡り良好な関係を保っている会社であれば、安心して任せることができるだろうという印象を持ちます。OB施主さまとの現場写真や、「遊びに来てくださいました!」というブログ記事、定期点検の日に記念写真を撮ったり、クレーム処理の報告をネット上で行ったり、様々な“つながり”を見せる方法があります。沢山あればあるほうが安心できるはずです。ただ、提灯記事ばかりになると逆効果なので、そのあたりはバランスを考える必要があります。

たまに経営基盤の強さについてホームページで書かれる会社もありますが、どこかの会社の経営が怪しいことを疑う人は比較的少ないように感じます。ただ、ネット上のレビューで「入金を急がせる」などの書き込みを見て不安がる人も居ると思いますが、ホームページで経営基盤について触れる必要をあまり感じません。

以上はほんの一例ですが、家のデザインが格好いいのは当たり前からスタートして、お客さまとのかかわっている姿をたくさん見せる。

ここが差をつけるところだと思います。
ホームページのデザインがちょっと古い、今リニューアルに手をかけられない(かけたくない)そんな場合でも、お客さまとのかかわり方をもっともっと見せることで、安心感を持ってもらうことは可能ですよ!