自社の対象顧客が権威付けの必要がある相手で、
「建築家の先生にお願いしたい」
といった依頼が多い工務店。また、高齢・裕福層の方が多い場合は親近感を感じてもらうより、身なりがきちんとしていたり、権威が感じられる写真を見ていただいたほうが良いと思います。この場合は、スタジオでメイクアーティストなどを入れて撮影する必要があります。
よくあるスタッフ写真
スタッフ写真でよく見るのは、
- スタッフ総出で撮影する集合写真
- 個人写真で、何かジェスチャーをしながら真剣に話す姿
- 真正面でカメラ目線、はにかみながら写っている
- カメラ目線ではなく、“自然な”感じで撮られたもの
こんな写真ですね。
スタッフ総出で撮影するタイプで最も困るのは、スタッフの退社です。各個人がしっかりと判別できる程度の社員数の場合、退社したスタッフが移った写真を使い続けるのはやや問題があります。すると、再撮影・・・はできず挿し替えることになります。
ジェスチャーをしながら撮影するタイプは、とっても切れ者に見えます。オシャレにスーツを着て真っ白なワイシャツの襟を立ててるような感じで、髪をワックスで整えていると奥手のお客さまからすると、「怖い人かな」と二の足を踏ませてしまいます。
真正面でカメラ目線、はにかみながら写っているタイプはとても親しみが持てますが、問題はやや頼りなく見えてしまうことです。カメラに写ることが苦手な方は多いですから。もう一つの問題はそのはにかみ具合が、「自分の技術に自信がなさそうな人」という印象に置き換わってしまう写真の不思議があります。見る方の心情で見え方が変わるのが写真なんです。
究極に自然なスタッフ写真撮影方法
カンタンです。
盗み撮りすることです。
カメラとは不思議な機械なのです。
カメラマンが人・風景・物に愛情や愛着を感じれば、それが写真に写り、見る人に伝わります。同時に、被写体(写される人)がカメラマンに親近感を感じていれば、それも写ります。
嘘だと思いますか?
きっと、お子様や恋人の写真を撮ったことがある人なら、なんとなくその感じ、理解していただけるのではないでしょうか。「奇跡の一枚」、はそうした愛情から生まれます。(笑)
私たちプロカメラマンは被写体に対して瞬時に愛情や愛着を感じることが職業的にできますが、一方で写される側はプロのモデルでもない限り、自然な感じで写真に収まることは難しいんです。だからこそ、
スタッフ同士の手による、究極の自然状態写真 = 盗み撮り
なのです。
今はスマートフォンのカメラはデジカメそのもの。かなり高性能です。そのカメラでスタッフが別のスタッフを盗み撮りするのです。
多少ブレたって構やしません。
そのほうが躍動感がでますから。
横顔だって良いんです。
顔が識別できないのは困りますけどね。
盗み撮りされているのに気づいて「うわっ!」と笑った時なんて、本当にいい顔をしています。休憩時間にお菓子を食べながら談笑しているときの無防備の顔も最高ですし、女性なら何気なく髪を触った瞬間の姿は恋心をいだきそうになりますし、職人さんがどこか出先から帰ってきて一息ついている顔もいいですね。
そんな日常スナップを皆んなで撮影してデータを集める。
そこから他人の目で、印象の良い写真を選ぶ。
無難すぎるものに落ち着いてしまいますから、自分達で選ばない方が良いです。
もちろん、個人や会社のイメージが悪くなるような写真は選んではいけません。
それは常識と思いやりの問題ですね。
撮影、写真選びで気をつけるべきこと
写真が暗くなりすぎること。暗い写真も明るくすることは可能ですが、画質が粗くなります。
目を閉じてしまっている写真。笑った時の目は、親近感のキモです。目がほそーく閉じてしまっている写真より、眼球の光(アイライトと言います)が見える程度が一番美しいです。また、お客さまに感じてもらいたい社風にもよりますが、目が閉じるほど大笑いしてしまっている写真は不真面目に見えてしまう場合もあります。
複数で写っている写真。一枚に複数が集まってしまっても悪くはないですが、写真右誰々、写真中誰々、写真左誰々、と説明を入れなければならなくなります。部署ごとに撮影するのであれば、この方法もいいですね。集合写真を盗み撮るのはなかなか難しいです。
いい写真が出てくるまで何百回撮っても全くお金がかかりません(時間をかけすぎると業務に支障がでますが)。
プロや外部の人に撮影してもらうとガチガチになってしまいますから、スタッフ写真こそ
盗み撮り合い
で、ベストショットを狙ってください。