ずっと以前、こんな依頼を受けました。
「新しいシリーズを出すんだけど、先行広告しておきたいんだ」
「へ~!いいですね!どんな家ですか?写真撮影の手配はされました?」
「それがまだなんだよね」
「そうですか。じゃ、こちらで手配しましょうか?」
「いや、家がまだなんだよ」
「????」
「イメージはあるけど、モノがない」
「じゃあ・・・手描きパースを使ったり、イメージ画が必要ですね」
「それ描かせるのお金かかるからさ、ストック写真ないかな?」
「ストック・・・ですか?」
「そそ、イメージ言うからそのイメージに合いそうな写真適当にみつくろっておいて」
実話です。
写真を見つけて購入し『施工例です』と書くのだけは倫理的に良くないから、あくまでもイメージ的に使って『新シリーズ開発中』でとどめていただきました。
それ後も、海外旅行で撮ってきた写真を施工例のように使ってくれという依頼もあり、「ちょっとそれはやめておきましょう」と思いとどまっていただきました。
こんな話は、一部の特殊な人のことではないのです
例えば、当社のお客さまではありませんが、設立したばかりの工務店が社長が以前勤めていた会社で建てた家の写真を自社施工例として使ってトラブルに発展した例がありました。こればかりは「オレが建てた家だから」という理屈は通用しません。
また、別の会社では自社が取り扱っている輸入建材会社の輸入元(海外)がパンフレットで使用している写真を使っていた例もありました。これも「うちが使ってる建材だし、建てようと思えば同じ家だって建てられる。写真も許可取ったよ」とおっしゃっていましたが、問題あると思います。
きっと家づくりを考えている方がホームページを見た時に「あれ?」という違和感を感じます。「これ、外国の家だよね?」なんだか怪しい気がして避けて通るかもしれません。
“法的に使用可能な写真”の中にとってもいいイメージの写真があって、どうしても使いたいと思ったとしても、やはりそこはぐっとこらえてください。設立したばかりの会社であれば、手描きで魅力的なパースを描いたり、以前の会社から使用許可を取るなど、難しいと思いますが、自分で作った物件を貫いてください。
もちろん、フランチャイズやグループ内での写真流用は問題ありません。