小さな会社の広告をつくる時、一番最初にすべきことはこれから先ずっと使えるベースを作ることです。
この言葉を嫌う方は多いですが、雰囲気のテンプレートを作るべきなんです。
写真を差し替えるだけ・・・というほど固まったものではなく、全体に流れる雰囲気を決定するテンプレートです。このテンプレートを少しずつ改良しながら、毎回毎回、毎回毎回、飽きることなく同じイメージを繰り返してください。
「ウチは色んな家が作れる!」
と毎回家のイメージに合わせて広告を変えてはいけないと考えています。
毎回同じイメージを繰り返す。
スーパーの広告のように、「今日食べる食材を今買いに行く」というお客さまが少ないのが工務店の広告です。
多くの場合、家づくりは長い時間をかけてお客さまは動きます。
反応が少ないと心配になりますが、知ってもらう努力はどこかで報われます。
実際、半年以上も前のチラシを持って来社された方も多いのです。
「即時!」という反応が欲しいのは当然です。
でも、時間のかかる家づくりを商品としている工務店の広告は、会社の認知を上げるためにするものです。
一つ一つの広告は、まだ見ぬお客さまの頭の中で同じイメージとして積み重なっていると信じてイメージを統一した情報発信を心がけてください。
小さい会社の場合、自分が思っているほど地域のお客さまは自社のことを知らない事が多いです。だからこそ、大手メーカーが集まるハウジングセンターに行く方が多いのです。新たに家づくりを始めようと考えるお客さまはその時点で「家づくりについても工務店の名前も一切知らない」と想定してください。
自社のイメージを見込み客の頭の中に固定していくことを常に考えてください。
同じパターン、同じ時期に同じイベント、同じ場所にロゴなどなど、統一できるところはすべて統一してください。
余談ですが、以前イメージ統一をして広告を制作したところ、「芸がない」と言われてしまったことがあります。
中小零細の工務店が毎回新しいイメージを打ち出してしまうと、毎回別の会社として認識されてしまいます。「芸がない」くらいでも良いのです。本当に芸を求めるのであれば、飛び抜けたイメージで毎回打ち出す事が統一感になる場合もあります。それは確固たる会社の方針があって成り立つものなので、まずは会社そのもののあり方をしっかりと形作ってください。
大企業のイメージ広告をここで引き合いに出すのは変ですが、アップルは昔からずっとシンプルな広告を続けています。他の会社から真似されるようになっても、アップルのシンプルイメージは強固です。だから他社は「アップルっぽい」と言われるのですね。