これからの世代はキッチン収納をこれまで以上に増やす必要があるんです。

ちょっと長くなりますが、是非とも最後までお付き合いを。m(_ _)m

家づくりで「収納」という言葉を聞くようになって数十年。
それでも分からないのが、

「どのくらい収納スペースを作ったら良いのか?」

私の周りでもここ10年以内で家を建てた友人が沢山いますが、私を含めどの家の話を聞いていても、

「収納スペースはこれでもか!というほど作ったんだけどね。いつの間にか、物がいっぱい。それも、“収容力抜群!”という触れ込みだったキッチンまわりになぜか物が溢れている」

どの家庭でも、物があふれるナンバーワンは キッチン。
次が子供部屋。
そして、子供部屋から溢れた置き場のないものが親の寝室に来て・・・
仕方なく物置を庭に設置するような流れが、意外に一般的なようです。
まあ、その部分はよしとして、キッチンの話にしましょう。(笑)

ここに来られる方の中で、料理をしない方にも分かりやすいよう、キッチンに物が増えていった過程をお恥ずかしながら私の家を例にあげてみます。

我が家のキッチンを例に上げると

キッチンは「I型」です。
冷蔵庫を入れて幅4mほど。
当時流行りだった対面キッチンではなく、壁に向けて設置することで全体的な広々さを求めました。設計士さんのおかげで、LDKはかなりのスケール感を出せました。

3人家族でキッチンウェアは必要十分、若い頃夫婦で大量に集めていた皿はセルフサービスの引っ越し時に、ワケあって盛大に割ってしまい (T_T)、それをきっかけに収集癖が止まったので、しまうべきものはそんなに多くないのです。

でも、生活していると物は増えてくるものです。
私の趣味が料理なのと、道具を必要とするメニューが多いため、一番増えたのはキッチン家電です。私の家のキッチン家電の様子は、

  • ホットプレート
  • ジューサーミキサー
  • ハンドミキサー
  • コーヒーミル
  • コーヒーメーカー

このあたりが最初からあったものです。その後、朝、焼きたてのパンの香りで起きたいという私の夢から、

  • パン焼き器

が増えました。
パン焼き器があると自家発酵させた生地でピザが作りたくなるのが人情というもので、コンロ下のオーブンがない我が家に増えたのが、

  • ピザロースター

30センチのピザが焼けるものなので、これがデカイ!
さて、ピザをつくるようになると、イタリア料理を勉強したくなります。すると、イタリア料理の煮込みには野菜のみじん切りをオリーブオイルで炒めたソフリットという煮込みの元になるものを作る必要があるんです。なので、

  • フードプロセッサー

を買うわけです。
イタリア料理が上手になってくると、パスタばっかりになってきます。それではなんだか豊かじゃないということで、サラダを足すわけですが、そこにかけるドレッシングに添加物が沢山入っているのが気になります。

なので、ドレッシングも自家製にしたい。
育ち盛りの息子にカルシウムを摂らせようと、ヨーグルトを使ったドレッシングのオリジナルレシピを考えました。すると、今度はヨーグルトを自分で作りたくなるので、

  • ヨーグルトメーカー

が増えます。
さて、これだけのものが揃ってくると、もはやキッチンには収まりません。

今思えば馬鹿馬鹿しいことですが、それまではホットプレートやパン焼き器が必要な時は階段下の収納までわざわざ取りに行き、ピザを焼く時にはなんと外の物置までロースターを取りに行くということを何年もしていました。

それを解決したのはDIYの棚

料理の腕が上達してくると、家族から「あれが食べたいこれが食べたい」と要望が出てくるようになります。その度に家電を取りに行くのが非常に苦痛でした。

そこで、ダイニングの壁を一面、床から天井まで棚にすることを思いつきました。持っている家電全て、寿司桶からアイアンの激重スキレット3枚などまで全部収納できる場所を作ろう!と考えました。

私のもう一つの趣味はDIYです。
写真のような棚を作り、キッチン関連の全ての物をDK付近に収納することができるようになりました。

この現実をお客様に伝えると喜ばれるのでは?

これからの世代は、以前に増して家電が増えていくサイクルにあることが予想されます。これまで以上にキッチンの収納力を考えておかないと、

「こんなはずじゃなかった」

と言われそうです。そのサイクルとは、クックパッドなどのおかげで、これまでのレシピ本にありがちな、

特殊な
手に入りにくい
コストが高くなりすぎる食材

がリストされているのを見て料理をあきらめてきた時代が終わります。
様々な料理がより身近になって、スーパーで買える食材で凝った料理を作る方法を一般の方々が紹介してくれるようになっていますから。

さらに、紹介してくれている方々はキッチン家電を駆使して調理時間を短縮しています。

「あったら便利はなくても平気」

と言いますけど、やはりそういうものの存在を知ってしまうと欲しくなります。私もそうでしたが、

「フードプロセッサーなんて買わなくてもみじん切りなんて得意だから平気」

と思っていたのに、セロリ二本・玉ねぎ二個・人参をみじん切りにする時間が1/3になるんです。しかも手でやるより細かく!
時間勝負の家庭内料理人ですから、機械が欲しくなってくるんです。

これらのことを踏まえ、お客様の今持っている物、料理の好き嫌い、探究心などなどをよく打ち合わせてキッチンの収納力を見極めていく必要があります。

ところで、私のDIYシェルフは、すべてのキッチン家電が収まり、更に息子の教科書(ダイニングが勉強場所なので)などが収まるようになりました。・・・なったのに、学校の連絡プリントや学習プリントはまだまだ溢れ出てきています。こちらの収納についてもよく考える必要がありそうです。